腰痛の予防には体を動かすとよいかもしれない(メタ分析)

(2019年6月) "Scientific Reports" に掲載されたメタ分析で、身体活動の習慣と腰痛のリスクとの関係が調査されています。

研究の方法

これといった原因もない腰痛のリスクと身体活動の習慣との関係を調べた24の研究のデータ(95,796人)を分析しました。 24の研究のうち15がコホート研究で、9つが横断研究でした。

結果

コホート研究

コホート研究のデータをまとめて分析したところ、身体活動の量(*)が中程度の場合には身体活動の量が最少の場合に比べて、腰痛になるリスクが10%低下していました。 余暇に行う身体活動(LTPA。スポーツなど)に限っても10%のリスク低下でした。

運動量が最大の場合には最少の場合と腰痛リスクに差が見られませんでした。

MET時間/週。

わかりやすく言えば「活動の激しさ×その身体活動に費やす時間×その身体活動を行う頻度」。

横断研究

横断研究のデータをまとめて分析したところ、身体活動のなかでもLTPAに限り、行う習慣がある場合に腰痛リスクが低下していました。 LTPAの量が最少の場合に比べて、最大の場合には15%および中程度の場合には23%の腰痛リスク低下でした。

身体活動全体と腰痛リスクの間には関係が見られませんでした。

解説

コホート研究では身体活動量が多い場合には腰痛リスクが低下しておらず、横断研究でも身体活動量が多い場合よりも中程度の場合のほうが腰痛リスク低下幅が大きいという結果でしたが、研究グループは必ずしも、腰痛リスクにとって身体活動量が多いよりも中程度のほうが良いとは考えていないようです。

このような研究グループの考えは、今回の記事の基となった研究論文の Discussion のセクションに見られる次のような記述から窺えます:
LTPAの量が多い場合に腰痛リスクとの間に関係が見られなかったのは、種類や運動時間が異なるLTPAをひとまとめにして扱ったためかもしれない。そのせいでLTPAを大量に行う場合の効果が過小評価されたのかもしれない。(The absence of an association between high level LTPA and LBP might be due to including different types and durations of LTPA which may have resulted in misclassification, and then underestimation of the effect of high level LTPA.)
上に挙げた2つの研究は身体活動の分類や程度においていくらか異なるものの、どちらの研究も腰痛リスクの軽減において中程度~大量のLTPAが重要であるという点において一致しているように見受けられる。(Although there are some differences between the two studies detailed above in terms of classification and levels of physical activity, both studies appear to agree about the importance of medium to high levels LTPA in decreasing the risk of LBP.)