みんなもっとフラボノイドに注目しよう? フラボノイドの記事はいつも、読んでくれる人が少ない。 今後きっとフラボノイドが健康ブームだよ?

(2019年6月) フラボノイドの一種で柑橘系果実に含有されるフラバノンを摂取した後に体内でどう処理されてどんな作用を発揮するのかについて、これまでの研究をまとめたレビューが "Nutrients" 誌に発表されています。

レビューの要旨

  1. 柑橘類が含有するフラバノン(ヘスピリジンやナリンジンなど)は抗酸化作用や抗炎症作用など健康に有益な作用を有する。
  2. 他のフラボノイド類と違って、フラバノンは概ね柑橘類にしか含まれていないと言って良い。 トマトやミントなどのハーブにも少し含まれている。
  3. ヘスピリジンはオレンジに豊富。 ナリンジンはグレープフルーツに豊富。 グレープフルーツの苦味はナリンジンに由来する。 フラバノンは柑橘系果実のジュース(100%果汁)を飲んでも摂れる。
  4. 経口摂取されたフラバノンはほぼそのままの状態で腸に達し、腸内に住む微生物に影響を及ぼしたり、腸内に住む微生物に代謝されて人体が利用できる形態になったりする。
  5. ヘスペリジンもナリンジンも腸内細菌によって主に結腸において代謝されて、無糖体であるヘスペレチンやナリンゲニンへと変化したり、ヘスペレチンやナリンゲニンからさらに小さなフェノール類へと変化すたりする。
  6. 柑橘類に含まれるフラバノンやその代謝物は腸内に住む微生物の種類構成や活性に影響を及ぼして腸のバリア機能や胃腸の炎症に対して有益な効果をもたらす。
  7. また、これまでに複数の研究で柑橘類由来のフラバノンの摂取量が多い人は心臓病・脳卒中・ガンなどの変性疾患のリスクが低いことが示されている。
  8. フラバノンに期待される健康効果は、①フラバノンそれ自体の作用、②フラバノンの代謝物の作用、③フラバノンが腸内微生物に影響を及ぼした結果による作用が絡み合って生じている可能性が高い。
  9. 腸内に住む微生物の種類構成には大きな個人差があるため、フラバノンの効果にも差が出て来ると考えられる。
  10. フラバノンの健康効果が発揮されるメカニズムは未だ完全には解明されておらず今後の研究(特にヒト試験)が必要であるが、ここまでのエビデンスからすると柑橘系果実に含まれるフラバノンやその代謝物は胃腸機能や健康に有益となる可能性を秘めていると言えよう。