アルツハイマー病と生活習慣(レビュー)

(2019年10月) "Neurodegenerative Diseases" に掲載されたレビュー。

レビューの要旨

早発性のアルツハイマー病(AD)にはアミロイドβやτタンパク質の生産と除去に関わる遺伝子的要因がモノを言うことが知られているが、遅発性のAD(早発性よりもずっと一般的)の病理はそうした遺伝子的要因だけでは説明がつかない。 したがって、ADの病理に関わる神経変性プロセスには生活習慣や環境的要因も関与する可能性が高い。

このレビューでは、以下に関する既存のエビデンスに目を通した:
  1. ショ糖(ありていに言えば砂糖)の過剰摂取が、ADに関与する肝臓の病理や脳内のインスリン抵抗性を引き起こす。
  2. 慢性的なストレスが青斑核(脳の一部)のニューロンを過剰に活性化させて、機能の喪失に至らせる(神経変性ではよくあること)。
  3. 糖分の多い食生活とストレスにより神経保護作用を有する性ホルモンが失われる(男女ともに)。
  4. 欧米型の食生活(具体的には過剰な塩分とカフェイン)の普及によりリチウム(ミネラルの一種。 飲み水や植物に微量に含まれる)が欠乏する。
その結果われわれは、上記の要因が神経変性やADの増加に関与している可能性があるという考えを持つに至った。 また、カロリの過剰摂取と絶え間ないストレスの悪影響に対抗するのに運動とリチウムの補給が有益であると思われる。