(2019年7月) 米国の研究グループがサプリメントや特殊な食事法が早死にや心血管疾患(心臓病/脳卒中)のリスクに及ぼす影響を調べたメタ分析の結果を "Annals of Internal Medicine" に発表しています。(参考: Nutritional supplements and diets not always protective, WVU research suggests)
研究の方法
サプリメントや特殊な食事法の死亡リスクや心血管リスクへの影響を調べたランダム化比較試験(RCT)4つおよびシステマティック・レビュー9つ(2019年3月までに発表されたもの。被験者数は合計100万人弱)のデータをまとめて分析しました。結果
食生活
- 正常血圧(normotensive)の人が塩分摂取量を減らすと総死亡リスクが10%低かった。
- 高血圧の人が塩分摂取量を減らすと心血管死亡リスクが33%低かった。
- 食用油の摂取量の制限やメディテラネアン・ダイエットなどの食生活と死亡リスクや心血管リスクとの間には関係が見られなかった。
サプリメント
- 長鎖オメガ3脂肪酸(DHAやEPA)により心筋梗塞のリスクが8%および冠動脈心疾患のリスクが7%低下していた。 ただし、エビデンスの質は低い。
- 葉酸(のサプリメント)により脳卒中のリスクが20%低下していた。 ただし、エビデンスの質は低い。
- カルシウムとビタミンDの併用により脳卒中のリスクが17%増加していた。
- その他のサプリメント(ビタミンB6・ビタミンA・マルチビタミン・抗酸化物質・鉄など)と死亡リスクや心血管リスクとの間には関係が見られなかった。