ビタミンDと脳卒中

(2019年8月) "Stroke" 誌に掲載されたエラスムス医療センター(オランダ)の研究によると、ビタミンD不足で脳卒中のリスクが増加するのではなく、脳卒中になるとビタミンDが不足するのかもしれない。

横断調査

まず横断調査で、45才以上(平均65才)の 9,680人(女性 5,502人)を対象にビタミンD血中濃度と脳卒中の病歴の有無との関係を調べたところ、脳卒中の病歴があったのは 9,680人中339人で、ビタミンD血中濃度が標準偏差の数値のぶん下がるごとに脳卒中のリスクが31%高かった。

前向き調査

次に前向き調査で、この339人などを除いた 9,338人を対象に、脳卒中の発生状況を平均10年間ほどにわたり追跡調査したところ、ビタミンDの欠乏が深刻である場合にはビタミンD血中濃度が標準偏差の数値のぶん下がるごとに脳卒中のリスクが25%高かったものの、ビタミンDが不足しているだけでは脳卒中のリスクは増加していなかった。 追跡期間中に735人が脳卒中になった。
ビタミンD血中濃度75nmol未満が「不足」、50nmol未満が「欠乏」、30nmol未満が「深刻な欠乏」。

結論

前向き調査のほうでビタミンDの深刻な不足でない限り脳卒中になるリスクが増加していなかったことから研究グループは、「ビタミンD不足が脳卒中の原因なのではなく、脳卒中がビタミンD不足の原因ではないか?」と述べている。