フラボノイドと癲癇(レビュー)

(2019年8月) CSIR-Institute of Himalayan Bioresource Technology(インド)の研究グループによるレビュー。 "Current Neuropharmacology " 誌に掲載。

レビューの要旨

  1. CREB(cAMP response element binding protein)はニューロンの分化・シナプスの可塑性・学習/記憶に関与する遺伝子群の転写を調節の鍵を握る転写制御因子である。
  2. BDNF(brain derived neurotrophic factor)はCREBに依存する遺伝子であって、癲癇および癲癇に関与する中枢性併存症の病理において重要となる遺伝子である。
  3. CREB-BDNF活性化が癲癇の誘発(induction)や進行に及ぼす好影響や悪影響は、関与する脳領域や活性化のタイミングに依存する。
  4. 生物活性を有しCREBの活性を変化させて様々な脳領域や神経回路に特殊な効果をもたらす分子(たぶんフラボノイドを指す)は、(癲癇の)治療に利用できる可能性があるかもしれない。
  5. ポリフェノール化合物の一種であるフラボノイドは、海馬におけるCREBをリン酸化させて、BDNFとERK(細胞外シグナル制御キナーゼ)を増加させる。
  6. いくつかの種類のフラボノイドは、CRE/BDNF経路に作用することで癲癇発作を抑制することが示されてもいる。
  7. 癲癇は行動面および心理面での病状を複数伴うことがあり、既存の抗てんかん薬ではそれらが悪化することがある。(フラボノイドならそういうことはない、と言いたいのかも)
  8. フラボノイド類がCREB-BDNF経路を活性化させて認知機能や記憶力の障害に対して有益な作用をもたらす可能性を支持する研究が複数存在する。