(2019年7月) 健康食品が Akkermansia muciniphila と Faecalibacterium prausnitzii という2種類の腸内細菌に及ぼす影響について これまでの研究をまとめたシステマティック・レビューが "Nutrients" 誌に掲載されている。
この2種類の腸内細菌について
Akkermansia muciniphila(A. muciniphila)菌も Faecalibacterium prausnitzii(F. prausnitzii)も健康な人の腸内に多い腸内細菌であり、炎症や代謝プロセスを介して肥満・2型糖尿病・動脈硬化の抑制に貢献するのではないかと考えられている。
レビューの方法
A. muciniphila菌や F. prausnitzii菌の腸内における豊富さに色々な健康食品が及ぼす影響を調べた29の臨床試験(被験者数は合計 1,444人)のデータを分析した。
結果
A. muciniphila菌
以下の健康食品により腸内で A. muciniphila菌が増えていた:- カロリー制限
- ザクロ抽出物
- レスベラトロール
- ポリデキストロース(人工的に合成された水溶性食物繊維。ヒトの消化酵素では分解されない)
- イースト菌による発酵物(EpiCorという製品)
- 酪酸ナトリウム
- イヌリン(水溶性食物繊維)
- 発酵性オリゴ糖
- 二糖類(ショ糖すなわち砂糖も二糖類)
- 単糖類(ブドウ糖など)
- ポリオール類(イソマルト、キシリトール、マンニトール、ソルビトールといった甘味料。アボカド、アプリコット、さくらんぼ、ネクタリン、桃、梅などの核果の成分でもある。低FODMAP食で避けるべき食品の1つ)