お茶にガン予防の効果は期待しないほうがいい?

(2019年6月) "European Journal of Epidemiology" に掲載された中国の研究によると、お茶にガン予防の効果は期待できそうにありません。

研究の方法

中国に住む30~79才の男女 455,981人を対象に、お茶の飲用習慣についてアンケートで尋ねたのち平均10年間にわたりガンの発生状況を追跡調査しました。

肺・胃・大腸・肝臓・乳・子宮頸部のガンについては、それぞれ個別的にお茶の飲用習慣と発症リスクとの関係を分析しました。

結果

追跡期間中に 22,652件のガンが発生しました。

ガンのリスクに影響する色々な要因を考慮しても、お茶(主に緑茶。85%ほど)を飲む習慣が無い(週に1回未満)のグループに比べて、お茶を飲む習慣がある各グループ(茶葉2g以下/日、2.1~4g/日、4g/日超)ではお茶を飲む量が多いほどガンのリスクが増加していました(それぞれ+9%、+15%、+26%)。

喫煙量や飲酒量まで考慮した分析でも同様の結果となりました(茶葉使用量が4g/日超の場合、喫煙量考慮で+16%、飲酒量考慮で+13%のリスク増加)。

喫煙&飲酒習慣の有無

そこで、喫煙&過剰飲酒(両方)の習慣がある場合と、その両方の習慣が無い場合とに区分して分析すると、お茶の飲用習慣があるとガン(種類は問わない)のリスクが増加していたのは喫煙&過剰飲酒の習慣がある場合だけでした(茶葉使用量が4g/日超のグループで+25%)。

ただ、ガンの種類別(*)の分析で、胃ガンに関しては喫煙&過剰飲酒の習慣が無い場合に、茶葉を毎日4g超消費するグループは茶葉を消費する習慣が無いグループに比べて、発症リスクが46%増加していました(喫煙&過剰飲酒の習慣がある場合には逆にリスクが増加していなかった)。
(*) 肺・胃・大腸・肝臓のガンだけ。 乳と子宮頸部のガンは女性の喫煙/飲酒者数が少ないので分析を行っていない。

コメント

研究グループは次のように述べています:
「喫煙&過剰飲酒の習慣が無くて茶葉を毎日4g超消費するグループにおける胃ガンの症例数が少なかった(46件)ので、この結果に関しては偶然かもしれない(お茶で胃ガンのリスクが増加するわけではないだろう)。 喫煙&過剰飲酒の習慣がある場合に、お茶の飲用習慣と胃ガンのリスクの間に関係が見られなかったのは、喫煙&過剰飲酒の習慣があるという時点で胃ガンのリスクが高いために、仮に緑茶で胃ガンのリスクが増加するにせよそのリスク増加が喫煙&過剰飲酒によるリスク増加に埋もれてしまっているからではないか」[原文: As cases in that specific group were limited, the significant result could also be due solely to the play of chance. A possible reason of association not observed in tea consumers who smoked or consumed alcohol excessively is that they already gained a high baseline risk due to smoking and alcohol use, so even if tea consumption was harmful, the additional risk would be obscured.]

「ガンを予防するうえでは特定の飲食物(お茶など)に頼るよりも禁煙と飲酒量の制限を旨とすべきである」[原文: Therefore, the public should be informed that smoking cessation and limiting alcohol drinking are much more reliable approaches to preventing cancer than relying on some particular foods or beverages.]