怒りと慢性炎症

(2019年5月) "Psychology and Aging" 誌に掲載されたコンコーディア大学(カナダ)の研究(使いづらくて見づらくて鬱陶しいPDFファイルなので要注意!!)によると、怒りの感情は80才以上では健康に有害かもしれません。出典: Anger More Harmful to Health of Older Adults Than Sadness

研究の方法

カナダに住む59~93才の中高年者226人を対象に、各自が感じた怒りや悲しみに関するアンケート調査を1週間にわたり実施したり、炎症のバイオマーカー(IL-6とCRP)の血中濃度を調べたり、抱えている慢性疾患について尋ねたりしました。

そして226人を59~79才のグループと80才以上のグループに分けて、怒りや悲しみと全身的な炎症の程度との関係を調べました。 炎症は病気や怪我から体を守るうえで必要なメカニズムですが、慢性的な炎症は心臓病・関節炎・ガンなどの慢性疾患を招きかねません。

結果

80才以上のお年寄りでのみ、日々感じる怒りが多いと炎症の程度(IL-6のみ)が激しかったり、抱える慢性疾患の数が多いという結果でした。 59~79才ではこのような関係は見られませんでした。

59~79才でも80才以上でも、悲しみと炎症や慢性疾患との間にも関係が見られませんでした。

解説

研究者によると、悲しみは諦めの心境に通じるところがあるので、心身の衰えなど老年がもたらす環境に高齢者が適応するのを助けるのかもしれません。

逆に怒りの感情は、比較的若い場合には老化がもたらす困難に打ち勝ち若々しさを保つ原動力となるかもしれませんが、80才以降になると怒りを原動力として用いたところでどうにもならないことが多く、怒りは有害でしかありません。
慢性疾患や慢性炎症のせいで怒りっぽくなってるってことはないのでしょうか?