神経疾患やガンの治療への絶食の利用

(2019年11月) "Nutrients" 誌に掲載されたレビュー。

レビューの概要

神経疾患

絶食は進化の過程と切っても切り離せない関係にあるにも関わらず、神経疾患(アルツハイマー病など)の治療への活用があまり模索されていない。

絶食は様々な神経疾患に対抗する手段となる可能性を秘めている。 代謝の状態を変化させ、ニューロンの生物エネルギー学的側面・可塑性・復元力(resilience)を最適化するからだ。

動物実験でもヒトの研究でも、絶食が代謝シンドローム(多数の神経疾患の主要なリスク要因)の予防や治療に有効であることが示されている。

絶食は認知機能を改善し、老化に伴う認知機能の低下を抑制し、また一般的には神経変性を鈍化させる。 さらに、脳のダメージの緩和・脳卒中後の機能改善・癲癇の軽減・多発性硬化症の緩和にも効果がある。 これらは動物実験での話であり、ヒトでどうであるかは研究不足のため不明であるが、動物実験の結果を見る限り、ヒトでも絶食が神経疾患の治療に役立つことを期待して研究を進めれば良いだろう。

ガン

動物実験によれば、絶食に腫瘍の予防や治療に効果を発揮したり、化学療法の効果を高めたりする効果が期待される。 ヒトの研究でも、絶食により化学療法の副作用が軽減されることが示されている。