緑茶にワーキング・メモリーを改善する効果?

(2020年 11月) "Molecules"(2020年9月)に掲載された伊藤園(日本)の研究。

研究の背景

これまでに日本で行われた複数の研究で、緑茶の飲用に認知機能障害を改善する効果のある可能性が示されている。

緑茶の成分としてポリフェノールの一種カテキンが挙げられるが、このカテキンは抗酸化・抗炎症・神経(ニューロン)保護といった効果のあることが報告されている。 ただ、ヒトの認知機能に対するカテキンの効果は依然として不透明である。

研究の方法

二重盲検ランダム化比較試験において、緑茶カテキン(カフェインを抜いたもの)336.4mgを12週間にわたり毎日1回投与して認知機能への効果を調べた。

被験者は、50~69才で認知機能が衰えている(MMSEのスコアが24未満)日本人52人。 この52人を2つのグループに分け、一方のグループには前述の緑茶カテキンのカプセルを、もう一方のグループには偽薬としてコーンスターチのカプセルを飲ませた。

結果

緑茶カテキンを一度服用しただけで、Continuous Performance Test(集中力や注意力を調べるテストらしい)の成績が向上した。

緑茶カテキンを12週間飲み続けたのちには、4-part Continuous Performance Test のパート4で反応時間が短くなった。

他にも色々と検査をしたが、それらの検査では緑茶カテキンの効果は見られなかった。 アミロイドβ関連の物質やBDNF(brain-derived neurotrophic factor)の血中濃度にも、緑茶カテキンの影響は見られなかった。

研究グループは「緑茶カテキンを毎日摂取するのはワーキング・メモリーに有益かもしれない」と結論を述べている。

世界緑茶協会によると、茶葉1gから茶に溶出するカテキン類の量は110~170mg。

伊藤園のサイトを見ると、注ぐ湯の温度が高いほうがカテキンは溶出しやすい。