自殺を考えるリスクと身体活動量との関係

(2019年7月) "Journal of Affective Disorders" に掲載された韓国の研究で、自殺を考えるリスクと身体活動量との関係が調査されています。
タイトル: Effect of physical activity on suicidal ideation differs by gender and activity level.
著者: Hyoun-WookKim et al.

自殺念慮とは

とある文献によると、自殺行動(のうち死亡に至らないもの)は次の3つに分類されます:
  1. 自殺念慮(suicide ideation):自殺するための行動を取ることを考える。
  2. 自殺計画(suicide plan): 自殺するための具体的な方法を検討する。
  3. 自殺未遂(suicide attempt): 自殺を意図して自らを傷つけかねない行為に及ぶ。 「これやったら確実に死ぬわ」でなく「これやったら死ぬんちゃうかな。でもまあええわ」というケースも立派な自殺未遂。 ただし、リストカットなどの自傷行為であっても自殺の意図がまったく無い場合には自殺未遂ではない。

自殺念慮はいちばん程度が軽いということですね。 今回の研究論文でも "suicidal ideation" という言葉が使われていますが、"suicide ideation" と同じ意味でしょう。

研究の方法

2014年に実施された "Korea National Health and Nutrition Examination Survey" と呼ばれる調査のデータ(調査人数は不明)を利用しました。

調査では、身体活動量(PA)に関するアンケートや過去2週間における自殺念慮(SI)に関するアンケートを実施しました。

結果

男女合同

抑鬱の有無まで考慮した分析において、PAに応じて3つのグループに分けた中でPAが中程度のグループは最低のグループに比べて、SIのリスクが27%低下していました。

PAが最大のグループはSIのリスクにおいてPA最少のグループと差がありませんでした。

男女別

男女別に見ると、女性では抑鬱の有無まで考慮してもせずともPA中程度の場合にSIリスクが低下していましたが、男性ではPAとSIの間に関係が見られませんでした(男性のデータだけを分析するとPAが中程度の場合にも最大の場合にはSIリスクが下がっていなかった)。

留意点

今回の研究は横断研究なので、PAがSIのリスクに影響しているのかSIがPAに影響しているのかは不明です。