運動習慣と脳卒中のリスク(メタ分析)

(2019年7月) 余暇に行う身体活動(LTPA)と脳卒中になるリスクとの関係を調べたメタ分析が "Stroke Research and Treatment" に発表されています。

研究の方法

LTPAと脳卒中リスクとの関係を調べた9つの前向き研究のデータ(25~84才の男女 27万人。追跡期間は7.7~32年間)をまとめて分析しました。

結果

LTPAの量が少ない場合に比べて量が中程度の場合には、脳卒中になるリスクが男性では21%および女性では12%低下していました。 ただし、女性では統計学的な有意性が微妙でした(95% CI = 0.78 - 1.0)。

LTPAの量が少ない場合に比べて量が多い場合には、脳卒中になるリスクが男性では28%および女性では22%低下していました。 こちらは女性でもバッチリ低下していました。

ただ、研究グループは「今回の結果に小規模研究効果(small-study effects)の影響が出ている恐れがある」と述べています。

"Small-Study Effects in Meta-Analysis" という文献によるとメタ分析における "small-study effects" とは、「小さな研究はときとして、大きな研究と異なる―おうおうにして大きな―効果を示すことがある」というものです。

"small-study effects" の理由は例えば出版バイアスです。 小規模研究は(大規模研究に比べて)明確な効果が出た場合に公開されやすいという指摘があります。 "Small-Study Effects in Meta-Analysis" によると出版バイアスが生じる理由は、研究グループが統計学的に有意な結果となった研究の公開を申請しがちであるとか、論文を掲載するジャーナルの側が小さい研究の場合には統計学的に有意な結果となった研究を掲載しがちであるといったものです。

アドバイス

研究グループは、「現在一般的に推奨されている身体活動量を維持するのが良さげである」と述べています。 WHO(世界保健機関)では、中強度の運動(速いペースでウォーキングなど)であれば週に150分間、高強度の有酸素運動(ジョギングなど)であれば週に75分を行うことを推奨しています。