食生活の健康度と腸内細菌

(2019年7月) "The American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された米国の研究で、食生活と腸内細菌の関係が調査されています。
タイトル: Dietary quality and the colonic mucosa–associated gut microbiome in humans
著者: Yanhong Liu et al.

研究の方法

横断調査において、ポリープが生じていない34人を対象に、結腸粘膜を採取して腸内細菌の種類構成を調べたり、食生活に関するアンケート調査を実施したりしました。

結果

  1. HEI(Healthy Eating Index)と呼ばれる米国のガイドライン(2005年版)の総スコアが低い(食生活が食事ガイドラインからかけ離れている)と腸内細菌の種類の多様性が乏しかった。
  2. 果物の摂取量が少ないと腸内細菌の種類の多様性が乏しかった。
  3. 乳製品や大豆飲料(1)の摂取量が少ないと腸内細菌の種類の多様性が乏しかった。
  4. 固体脂肪・アルコール・添加糖の摂取量が多いと腸内細菌の種類の多様性が乏しかった。
  5. HEIの総スコアが低いと Parabacteroides、Roseburia、Subdoligranulum といった腸内細菌が少なく、Fusobacterium 菌が多かった。(2)
  6. 果物の摂取量が少ないと Roseburia 菌が少なく、Bacteroides 菌が多かった。
  7. 乳製品や大豆飲料の摂取量が少ないと Faecalibacterium 菌と Fusobacterium 菌 が少なく、Bacteroides 菌が多かった。
  8. 固体脂肪・アルコール・添加糖の摂取量が多いと Subdoligranulum 菌が少なく、Escherichia 菌と Fusobacterium 菌が多かった。

    (1) 米国NIHのサイトを見ると、2015年版では「乳製品に、栄養を強化した大豆飲料(たぶん豆乳)も含む」とあるが、2005年版には乳製品と大豆飲料を関連付ける記述は無い。

    (2) お手数をおかけして申し訳ございませんが、細菌の和名や働きは各自で調べてください。 最近、肩こりと眼精疲労がひどいのでね。

結論

上記の結果にもとづき研究グループは、「HEIのスコアが低い(食生活が不健康である)と、有益となりうる腸内細菌が少なく有害となりかねない腸内細菌が多い」と述べています。