タイトル: Dietary total antioxidant capacity and risk of cancer: a systematic review and meta-analysis on observational studies
研究の方法
食生活の抗酸化能力とガンのリスクを調べ 2018年10月までに発表された研究の中から所定の基準を満たす19の研究(前向き研究が8つにケース・コントロール研究が11)を選出し、それらのデータ(合計72万人、ガンの症例数は 16,159件)をまとめて分析しました。
結果
大部分の研究では食生活の抗酸化能力の把握にFRAP(ferric reducing antioxidant power)と呼ばれる手法を用いていました。 FRAPを用いた14の研究(前向き6つにケース・コントロール8つ)をまとめて分析すると、食生活の抗酸化能力が高いと各種ガンのリスクが低いという結果でした。
14の研究の総合で、14%のリスク低下でした。 FRAP以外の手法で食生活の抗酸化能力を把握した研究でも同様の結果となりました(20%、31%、28%のリスク低下)。
ガンの種類別では大腸ガン・胃ガン・子宮内膜ガンで、食生活の抗酸化能力が高いと各種ガンのリスクが低いという結果でした(リスク低下幅は先頭から順に18%、37%、22%)。
DTACを上げるには
読者諸氏のために30分ほども検索して見つけましたよ、DTACに貢献する食品が記載されている文献を。 2003年に "Journal of Nutrition" に掲載されたその文献によると...
野菜
調査対象となった34種類の野菜のなかで抗酸化能力が最も高いのはホウレン草、それに次いでペッパー(唐辛子や赤ピーマン)です。 TRAPという手法で検査した場合に抗酸化能力が最も高かったのはアスパラガスです。 大根の葉っぱ(turnip-top)やキノコ(mushroom)も高い抗酸化能力を示しました。
抗酸化能力ランキングで順位が低かったのはジャガイモ、キュウリ、カリフラワー、フェンネル、セロリなどです。 意外なことにニンジンも3種類の検査法すべてで低ランクでした(キャベツのほうが順位が高い)。
果物
果物(29種類を調査した)では、検査手法にかかわらずベリー類(ブラック・ベリー、ラズベリー、イチゴ、ブルーベリー)が高い抗酸化能力を示しました。 3種類の検査法いずれでもブラック・ベリーがトップ。 ベリー類以外ではオリーブやオレンジが優秀でした。 パイナップルはまあまあ。 スイカやメロンは低ランク。