食生活の炎症度と睡眠の質の関係

(2019年6月) "Nutrients" 誌に掲載されたカターニア大学(イタリア)などによる研究で、食生活の炎症度と睡眠の質の関係が調査されています。

炎症について

炎症は病原体や有害物質に対して免疫系が引き起こす自然免疫反応の一部で、傷の治癒を促進したり病原菌を抑制したりするのに役立ちます。

しかし、炎症は健全な組織まで傷つけてしまうので、感染症や怪我などが生じていないときにも炎症が持続する慢性的な炎症は体にとって有害です。 慢性的な炎症はガン・糖尿病・心臓病・リウマチ・抑鬱・アルツハイマー病など様々な病気の一因になると考えられています。

慢性炎症の原因となるのは、体内から排除されずに残っている病原体・有害物質・免疫系の異常・運動不足・肥満・遺伝的体質・加齢などですが、食事内容も慢性炎症に大きく影響します。

食生活の炎症度と健康

食生活の炎症度とは、普段の食事に含まれ炎症に影響する各種成分がトータルで炎症を促進するか、それとも抑制するかということです。 サウス・カロライナ大学の研究では、食生活の炎症度を判定するのに食事炎症指数(DII)という尺度が用いられます。

これまでの類似研究で、食生活の炎症度が高い人は大腸ガン・乳ガン・膀胱ガン・胃ガン・喉咽頭ガン・腎臓ガン・心臓発作・早死に・骨折・抑鬱・精神的苦悩のリスクが高いことが示されています。

研究の方法

イタリアに住む男女 1,936人を対象に、食生活や睡眠などに関するアンケート調査を実施しました。

結果

DIIスコアが最高の(食生活が炎症を助長する)グループは最低のグループに比べて、睡眠の質が良好である率(オッズ比)が51%低いという結果でした。

ただ、睡眠の質を構成する項目ごとに分析すると、DIIとの間に関係が見られたのは寝付きの良さだけでした(スコアが最高だと寝付きが良い率が40%低い)。

睡眠時間・睡眠効率・睡眠に関する自己評価・日中の眠気などといった項目については、DIIスコアとのあいだに関係が見られませんでした。