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コレステロール由来の物質が免疫細胞をあざむいて固形ガンの転移を促進

(2017年10月) コレステロール値が高いと乳ガンが転移するリスクが高くなることが知られていますが、"Nature Communications" 誌に掲載されたイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究により、その理由の解明が進みました。 コレステロールから体内で作り出される27-ヒドロキシコレステロール(27HC)という分子が特定の免疫細胞に働きかけて、免疫細胞の働きを封じていたのです。

研究の概要

乳ガンの腫瘍が生じているマウスにコレステロールをたっぷり含むエサを与えたところ、腫瘍の成長と転移が促進されました。 「スタチン」というコレステロール低下薬を投与すると腫瘍の転移が減少しました。 さらに一歩すすんで、コレステロールが代謝される過程において27HCを作り出す酵素を阻害しても、腫瘍の転移が抑制されました。

27HCに作用される免疫細胞

27HCが大量に存在する腫瘍の転移先では、一部の好中球とT細胞に異常が生じていました。 本来であればガンを攻撃するはずの免疫細胞が27HCにだまされてガンを攻撃対象と見なさなくなっていたのです。

乳ガン以外のガンでも

27HCは乳ガンそれ自体ではなく免疫系に作用するため、上記は乳ガン以外の固型腫瘍にも当てはまる可能性があります。 研究チームは結腸ガン・肺ガン・メラノーマ・膵臓ガンで同様の実験を行って、いずれのガンでも27HCにより転移が増加することを確認しました。

研究チームは現在、今回の結果がヒトにも当てはまることを確認する研究を行っています。

コメント

研究者は次のように述べています:
「27HCを阻害する薬が開発されるまでは、スタチンを使用すると良いでしょう。 コレステロール値が高いのが心配な患者さんは、スタチンの使用について医師に相談してみましょう」