40才以降に始めた運動習慣でも心臓の健康に有益

(2014年5月) "EuroPRevent" という学会で発表されたフランスの研究によると、40才以降に比較的激しい運動を始めた男性でも、30才前からそのような運動をしていた男性と同程度に心臓の健康への恩恵を被ることが出来ます。

研究の方法

心臓発作や脳卒中などのリスク要因が無い55~70才の健康な男性40人を次の3つのグループに分類して身体機能を検査しました:
  1. これまでの人生で一度も週に2時間以上の運動をしたことが無いグループ(10人)
  2. 30才になる前に週に7時間以上の運動習慣を開始し、その習慣を5年以上にわたって続けているグループ(16人)
  3. 40才より後に週に7時間以上の運動習慣を開始し、その習慣を5年以上にわたって続けているグループ(14人)

運動の内容はジョギングまたはサイクリングで、グループ②の人たちが運動習慣を始めた年齢は平均で22才のときでした。 一方、グループ③の人たちでは、この年齢は平均で48才でした。

結果

  • 安静時心拍数は、2と3のグループでは同程度(56.8 bpm と 58.1 bpm)でしたが、1のグループでは有意に速くなっていました(69.7 bpm)。
  • 最大酸素摂取量についても、2と3のグループで同程度(47.3 ml/min/kg と 44.6 ml/min/kg)で、1のグループで有意に減少していました。 最大酸素摂取量は心臓・血管の健康に関与しています。
  • 心エコー検査でも、2と3のグループのほうが1のグループよりも、左心室および左右の心房が大きくなっていました。 さらに、1のグループでは血管壁が厚くなっていました。 拡張機能(心臓が拡張した状態にあるときいに左心室を血液で満たす能力)や、心拍数などの検査でも、2と3のグループの方が良好な結果でした。

コメント

これらの結果に基づいて研究者は次のように述べています:

「加齢による生物学的な変化に関わらず、40才の時点でも心臓は持久力トレーニングによって変わる余地があると思われます。 40才から運動習慣を開始するのであっても、運動による心臓への健康効果は損なわれないと言えます」

「持久力トレーニングは骨密度や筋肉量、酸化ストレスなどに対して有益な効果をもたらしますが、こちらについては若い頃に運動習慣を開始したほうが有利であることが知られています」

「心臓や血管は加齢によって構造的および機能的に劣化してゆきます。 運動によってもこれらを防ぐことは出来ませんが、劣化のペースを遅くすることは出来ます。

若い頃に運動をしていなかったために劣化した分を、中年になってからの運動で取り戻せるかどうかは現時点では不明ですが、運動習慣を開始するのに遅すぎるということはありません。 そして、激しいトレーニングをするのでなくても、エレベーターの代わりに階段を登るとか、自家用車の代わりに自転車あるいはバスや電車で通勤する、あるいはガーデニングを楽しむというのであっても健康にとって有益です」