脳の動脈網の先天的な異常が偏頭痛の原因かも

ペンシルバニア大学の研究により、偏頭痛持ちの人は、そうでない人と比べて、脳に血流を供給する動脈網が生まれつき不完全であるケースが多いことが明らかになりました。

最近では、脳のシグナル活性(signal activity)の異常が偏頭痛の原因ではないかと考えられるようになっていますが、かつては、偏頭痛の原因が脳の血管が拡張することにあると考えられていました。 今回の結果により、以前に考えられていたのと異なる形で、血管が偏頭痛に関与していることが示唆されます。

今回の研究によると、動脈網が不完全な人では、脳への血流が不安定であるために脳のシグナル活性に異常が生じ、それが偏頭痛を引き起こします。

この研究では①偏頭痛の無い人、②前兆(オーラ)タイプの偏頭痛のある人、③前兆タイプではない偏頭痛のある人から成る170人を対象に、MRI を用いた特殊な撮影法(fMRI のこと?)により脳の血流の変化を測定し、磁気共鳴血管造影(MRA)により血管構造を調べました。

調査の結果、①のグループでは51%、②のグループでは73%、そして③のグループでは67%で脳の動脈網に異常が見られました。

動脈網の異常は、視覚的なイメージの処理を司る脳の後部に最も多く生じていました。 これは、偏頭痛の際の前兆の多くが、視界の歪みや、波打つ線、光点などの視覚的なものであるのと合致します。

研究者は次のように述べています:
偏頭痛のある人では、生まれつき血管の構造が他の人と異なっています。 この構造の違いが脳内の血流の変化に関与していると思われますが、脳内の血流の変化が、偏頭痛の原因となっている可能性があります。 例えば、脱水症状が偏頭痛のきっかけとなるというのも、この説を裏付けています。
今回の研究は、脳の動脈網の異常と偏頭痛との因果関係を証明するものではありませんが、動脈網の異常が偏頭痛の要因の1つである可能性は少なくありません。