ホットフラッシュとは

ホットフラッシュとは

ホットフラッシュ(日本語では「のぼせ」や「ほてり」になると思います)とは、一時的に顔から首、胸にかけて火照ることです。 火照りと同時に、心拍数が増加したり、恥ずかしい目に会って赤面したときのように顔が赤くなったり、大量に汗をかいたりすることもあります。 発汗は主に上半身に起こり、ホットフラッシュの発作が治まるときに寒気を感じます。

ホットフラッシュは主に更年期に見られる症状で女性の約60%が経験しますが、男性にも生じることがあります。

ホットフラッシュには上記の典型的なタイプのほかに、「ゆっくりタイプ」もあります。 典型的なタイプでは、早いときには1分以内に症状が最高潮に達し、数分で症状が治まり始めますが、ゆっくりタイプでは、典型的なタイプほど症状が強烈でない代わりに30分ほども症状が持続します。

典型的なタイプのホットフラッシュは夏季に症状が出ることが多いのですが、ゆっくりタイプは年間を通して症状が出ることがあります。

また、典型タイプのホットフラッシュが起こらなくなってからも、ゆっくりタイプのホットフラッシュが何年も出続けることがあります。

ホットフラッシュの頻度

ホットフラッシュが起こる頻度は人それぞれですが、週に2、3回から、多い人では一日に5~7回ほども起こります。 就寝中にホットフラッシュが起こって夜中に目が覚めてしまうこともあります。

ホットフラッシュが起こる期間も人それぞれで、更年期のあいだの短期間にのみ発症する人もいれば、一生起こり続ける人もいます。 60~65才になってもホットフラッシュの症状があるという人も少なくありません。 ペンシルバニア大学が行った調査では、中程度~重度のホットフラッシュの平均継続期間は5年程度で、閉経から10年が経過してもホットフラッシュが続く女性が30%以上だという結果になっています。

ホットフラッシュの原因

ホットフラッシュの原因は明確にはわかっていませんが、体の体温調節を司る視床下部の異常が原因だと考えられています。 閉経に伴うエストロゲンの減少によって視床下部の機能が混乱するためにホットフラッシュが起こっているのかもしれません。

ただし、子供や、何らかの疾患でエストロゲンの量が少ない女性にホットフラッシュが少ないことから、ホットフラッシュの原因は、エストロゲン量の低下ではなくエストロゲンの「禁断症状」にあると言えそうです。

ホットフラッシュが起こりやすい人
更年期で必ずホットフラッシュが起こるわけではありません。 ホットフラッシュの起こりやすさに影響する要因には次のようなものがあります:
  • 喫煙: 喫煙者の女性でホットフラッシュが起こりやすいことが知られています。
  • 肥満: BMI の数値が高い人でも、ホットフラッシュのリスクが増加します。 肥満の女性(白人と黒人40人)を対象に行われた研究("Menopause" 誌 2015年1月号に掲載予定)で、減量がホットフラッシュの抑制に有効であることが示唆されています。
  • 人種: 日本人や中国人は最もホットフラッシュになりにくいそうです。ホットフラッシュは黒人に多く、次いで白人に多いことが報告されています。
  • 運動不足: 運動不足によってホットフラッシュのリスクが増加すると考えられます。 ただし、運動をしてもホットフラッシュが改善されない(特に黒人で)という研究もあります。
  • その他: ストレス、飲酒、気温、香辛料、締め付けられるような服装などもホットフラッシュが起こったり、悪化したりする原因となります。 コーヒーでホットフラッシュが悪化するという話もあります。
ホットフラッシュの対策

ホットフラッシュには、腹式呼吸が有効だそうです。 腹式呼吸では、1分間に6~8回ゆっくりと呼吸します。 これを、朝と夕方に15分ずつ行います。 さらに、ホットフラッシュが始まったときにも15分行います。 あと、ホットフラッシュには、ビタミンB、ビタミンE、大豆食品なども効果があると言われています。

ホットフラッシュの症状が日常生活に影響を及ぼすようであれば、医師の診察を受けましょう。 ホットフラッシュの治療には、ホルモン補充療法や、低用量の抗欝剤などが用いられます。 針治療がホットフラッシュに有効であるという話もあります。

大豆

「ホットフラッシュに大豆が効く」と言われていますが、"Menopause" 誌(2014年)に掲載された研究によると、ホットフラッシュに大豆が効くのは、食べた大豆から「エクオール」というエストロゲン活性を有する物質を体内で作り出せる人だけです。

エクオールは腸内細菌が大豆から作り出すのですが、腸内に住む細菌の種類構成によっては大豆を食べても腸内でエクオールが作り出されません。 アジア人にはエクオールを作り出せる人が多いのですが、それでも1/3ほどの割合でしかありません。

大豆を食事に取り入れてみて4~6週間ほどでホットフラッシュへの効果を実感できなければ、エクオールを作り出せる体質ではないかもしれません。 エクオールはサプリメントが市販されているので、大豆からエクオールが作られない体質の人エクオールのサプリメントを使用するとよいかもしれません。