プロバイオティクスとは乳酸菌のように体に有益な微生物、あるいはそのような微生物を含む食品のことですが、プレバイオティクスという言葉をご存知でしょうか? プレバイオティクスとは、善玉菌そのものではなく善玉菌のエサになる成分のことです。
プレバイオティクスは、炭水化物のうち人間が消化できずに、善玉菌の養分となるものを指します。 ヨーロッパではすでに、プレバイオティクス製品が市販されています。 プレバイオティクスは、ヨーグルトなどの乳製品と違って、冷蔵保管の必要がないため、様々な食品に利用できます。
プレバイオティクスに該当する栄養素
プレバイオティクスとなるのは主にイヌリンや、ペクチン、マンナンなどの水溶性食物繊維ですが、難消化性デンプンやビフィズス菌のエサになると言われているオリゴ糖もプレバイオティクスになります。
腸内細菌の中には、ラクトフェリンというタンパク質など食物繊維以外の栄養素もプレバイオティクスとして消費するものがいます。 チョコレートや普通のパンもプレバイオティクスとして機能します。
イヌリンは、小麦・タマネギ・ニンニクなどに含まれています。 これまでの研究で、プレバイオティクスがお腹の善玉菌のバランスを改善することがわかっています。
プレバイオティクスを食べ物に混ぜたり、サプリにする研究が進められていますが、プレバイオティクスはヨーグルトなどのように万人向けの健康食品というよりは、2型糖尿病、心臓病、胃腸疾患を有する人など特定の層に得に有益な食品となることが期待されています。
シンバイオティクスという言葉も
シンバイオティクスという言葉もあります。 シンバイオティクスとは、プロバイオティクスに当たる善玉菌と、その善玉菌のエサとなるプレバイオティクスが組み合わさった食品などのことです。
したがって、一般にプロバイオティクスと呼ばれるものの中には、ヨーグルトやケフィアなどのように厳密にはシンバイティクスであるものも含まれているということになりますね。 食品として摂取するプロバイオティクスは基本的にシンバイオティクスであるとすら言えそうです。
シンバイオティクス=プロバイオティクス+プレバイオティクスポストバイオティクスという言葉も
最近ではポストバイオティクスという言葉も使われ始めています。 ポストバイオティクスとは、エサとなるプレバイオティクスから善玉菌が作り出す有益な物質のことです。
プレバイオティクスを摂取する代わりに、善玉菌が作り出す有益な物質を摂取してしまおうというのがポストバイオティクスの発想です。
経口摂取したポストバイオティクスの効果が胃酸などで損なわれないように工夫が必要でしょうけれど、プレバイオティクスから有益な物質を作り出してくれる腸内細菌が不足している人にはポストバイオティクスが有効でしょう。