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ケルセチンについて

ケルセチンとは

フラボノイドという植物性の化合物の1つにフラバノールと呼ばれるものがありますが、ケルセチンはそのフラバノールの一種です。 ケルセチンは野菜・果物・ナッツ類など様々な植物性食品の含有成分であり、抗ガン・抗炎症・抗ウイルス・抗酸化などの効果が期待されています。

ケルセチンは冷水には全く溶けず熱湯にもあまり溶けませんが、アルコールと脂質にはよく溶けます。 また、ブドウ糖などのグリコシルと結合してケルセチン配糖体になると可溶性や生体内での吸収・利用効率が向上します。 そしてケルセチンは、野菜や果物などの食品中において主にケルセチン配糖体の形で存在します。

ケルセチンを含有する食品

ケルセチンはベリー類(イチゴやブルーベリーなど)・アブラナ科アブラナ属の野菜(ブロッコリーなど)・リンゴ・ブドウ・たまねぎ・ケーパー(セイヨウフウチョウボクのつぼみ)・エシャロット・トマト・ナッツ類などの食品のほか、様々な種子・花・樹皮・葉などにも含有されています。

健康食品として用いられるイチョウや、セイヨウオトギリソウ、ニワトコ(Sambucus canadensis)にもケルセチンが含有されています。

ケルセチン含有量が最も多い食品

これまでに知られている中でケルセチン含有量が最も多い食品はケーパー(生)で、100gあたり234mgのケルセチンを含んでいます。 一方、ケルセチン含有量が最も少ない食品は紅茶と緑茶で、100gあたり2mgしか含まれていません。

特記事項

ケルセチンを豊富に含むことで知られる赤タマネギ(赤紫色のタマネギ)では、タマネギの最も外側の層と根に近い部分にケルセチンが特に多く含まれています。 また、有機栽培で育てられたトマトは化学肥料で育てられたトマトに比べてケルセチン含有量が79%多いという結果になった研究もあります。

ケルセチンの健康効果

炎症・免疫

生体外実験・動物実験・ヒトの試験で、ケルセチンに抗炎症効果や免疫力強化効果のあることが示されています。 "European Journal of Clinical Nutrition"(2017)年に掲載されたメタ分析でも、7つの臨床研究のデータを分析してケルセチンのサプリメント(500mg/日以上)に炎症の指標の1つであるCRP血中濃度を下げる(-0.34mg/L)効果があるという結果になっています。

ただし、ヒトの試験ではケルセチンに抗炎症効果も免疫力強化効果も無いという結果になったものが少なくありません。 例えば "Pharmacological Research" 誌(2010年)に発表された研究では、成人女性にケルセチンのサプリメントを1日あたり500~1,000mg服用させるという二重盲検試験で、サプリメントの服用によりケルセチン血中濃度は増加したものの自然免疫機能にも炎症にも何の効果もないという結果になっています。

心臓・血管、ガンなど

ケルセチンは、心臓病・動脈硬化・ガンの予防やコレステロール改善にも効果があると思われます。 ただし、心臓病や動脈硬化に対するケルセチンの効果をヒトで調べた研究の大部分は、サプリメントではなく食事に含まれるケルセチンを対象としています。

間質性膀胱炎・高血圧・前立腺炎については、ケルセチンのサプリメントで症状が軽減される可能性が示されています。

食事から摂取されるケルセチンの量

ケルセチン摂取量については世界で複数の研究が行われていて様々な結果となっていますが、2015年に発表された日本の研究では日本人のケルセチン平均摂取量が1日あたり16.2mgであるという結果になっています。

外国で行われた調査では、米国人のケルセチン摂取量は10~16mg/日程度(調査により異なる)、中国人は約4.4mg/日あるいは若い男性で約18mg/日(調査により異なる)、スペインでは18.5mg/日という結果になっています。

サプリメントの推奨摂取量

ケルセチンのサプリメントの推奨摂取量は300~750mgを1日に3回服用するというのが一般的です。 1gを超えてケルセチンのサプリメントを服用する場合には医師に相談する必要があります。

参考までに、動物実験では体重1kgあたり10mg~160mgという用量でケルセチンが経口投与されています。 ヒトの試験での投与量は1日あたり50mg~1gです。

ケルセチンの吸収率

ケルセチンを経口で服用したときの吸収率は2%未満に過ぎませんが、ケルセチン配糖体を健康な人が100mg服用した場合の吸収率は3~17%です。

ケルセチン配糖体の種類によっても吸収率は異なり、タマネギやエシャロットなどに含まれるケルセチン配糖体は茶に含まれるケルセチン配糖体よりも吸収効率がはるかに優れています。 また、ケルセチンは脂肪分を同時に摂ると吸収効率がアップします。

ケルセチンやその派生物は胃酸で溶けたりはせず、小腸で吸収されると考えられています。

ケルセチンの危険性

ケルセチンは様々な食品に自然に含まれている成分ですが、サプリメントなどで人為的に大量に摂ると副作用が生じる恐れもあります。 ケルセチンの副作用として知られているのは、頭痛・手足に生じる刺すような痛み・腎臓へのダメージなどです。

抗生物質・シクロスポリン(免疫抑制剤)・ワルファリン(血液凝固を防止する薬剤)・肝臓が関与する薬を服用している場合には、ケルセチン・サプリメントの服用によって薬効に変化が生じたり副作用のリスクが増加したりする恐れがあります。

また、妊娠中・授乳中にはケルセチンのサプリメントを服用すべきではありません。
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