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全粒穀物とは

全粒穀物(whole grain)とは、米・小麦・麦・トウモロコシ・キヌア・アマランサスなどの穀類から籾(もみ)などの外皮部分を除去しただけで胚芽・胚乳・ブラン(ぬか)に当たる部分がすべて残っているものを指します。 玄米や全粒小麦から作られた全粒粉などが全粒穀物に当たります。

全粒穀物に対して精白穀物では、胚芽とブランまで除去されてしまっていて胚乳だけが残っています。 普通の白米や小麦粉が精白穀物に当たります。

全粒穀物に豊富に含まれる栄養

全粒穀物には、マグネシウムなどのミネラル分、ビタミンB1、食物繊維フィチン酸、そして抗酸化物質が精白穀物よりも豊富に含まれています。

ベンゾキサジン

ライ麦・小麦・トウモロコシなどの全粒穀物にはベンゾキサジンという化合物も含まれており、パンなどに加工した後にも有効成分として残っています。 ベンゾキサジンには免疫力を強化する効果が期待されています。 ベンゾキサジンは米やモロコシ(コーリャン)には含まれていません。

全粒穀物の健康効果

全粒穀物は糖尿病コレステロールの対策として推奨されている参考記事: 糖尿病にはキャノーラ油と全粒穀物が有益ほか、健康的だとされる地中海地方の食事や北欧地方の食事の特徴の1つであり、米国心臓協会が心臓の健康に良いとして推奨する食品の1つでもあります。

低グリセミック

また、全粒穀物には食物繊維が豊富に含まれているために、重量当たりのカロリーが精白穀物より少なく、グリセミック指数が低くなります。 さらに、食物繊維のおかげで消化に要するカロリーが多いために、食事をするだけでカロリーが消費されます。

コレステロールと血糖値

全粒穀物には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が精白穀物よりも多く含まれていますが、不溶性食物繊維には便通を促進する効果が、水溶性食物繊維にはコレステロールを下げたり食後の血糖値の増加を緩やかにしたりする効果があります。

ただし、"Cell Metabolism" 誌(2017年)に掲載された研究によると、腸内細菌の種類構成によっては精白穀物を食べたときよりも全粒穀物を食べたときのほうが血糖値が上がりやすいという人もいます。

疾患リスクの低下

ダイエットや、糖尿病のリスク低下および症状コントロール、コレステロール改善以外にも、全粒穀物は様々な研究により次のような健康効果のあることが示唆されています:
  • 心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが低下する。 全粒穀物に豊富に含まれるマグネシウムが心血管疾患のリスク減少に有益だとする研究があります。 "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された研究によると、心臓の健康には特にライ麦とオート(オーツ)麦が有益です。
  • 高血圧になりにくい。
  • 大腸ガンになるリスクが低下する。
  • 主に若い女性において乳ガンのリスクが低下する。 全粒穀物に含まれる食物繊維がエストロゲンに作用するためだと思われます。
  • 歯周病のリスクが低下する。
  • 総死亡率が低下する(早死にのリスクが減る)。
  • 子供が喘息になりにくい。
  • 炎症が低減される。
  • ダイエット効果がある。 ダイエットには全粒小麦よりも全粒ライ麦が適しているという研究もあります。

全粒穀物の健康効果のうち科学的な裏づけが豊富なのは、心臓病・脳卒中のリスク低下、コレステロールの改善、ダイエット、糖尿病予防です。

全粒穀物の推奨摂取量

米国における全粒穀物の推奨摂取量は1日あたり(煮炊きする前の乾燥重量で)48~80g、デンマーク(*)では1日あたり75gとなっています。 全粒穀物を48gというのは、全粒粉で作った食パン3切れ程度に相当します。
(*) デンマークでは全粒穀物の摂取量を増やすためのキャンペーンにより、ここ10年間で全粒穀物の摂取量が2倍に増えています。