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解熱鎮痛剤は心の痛みだけでなく喜びまで鎮めてしまう

(2015年4月) "Psychological Science" 誌オンライン版に掲載されたオハイオ州立大学の研究によると、タイレノールなど市販の解熱鎮痛剤に用いられているアセトアミノフェンにはポジティブな感情を鈍らせるという副作用があります。 出典: Your Pain Reliever May Also Be Diminishing Your Joy

過去の研究では、解熱鎮痛剤の成分であるイブプロフェンやアセトアミノフェンなどが肉体的な痛みだけでなく心の痛みにも有効であることが示されていますが、今回の研究によると、解熱鎮痛剤は良きにつけ悪しきにつけ心を鈍くする作用があるということになります。
研究の方法

82人の大学生を2つのグループに分けて、一方のグループにはアセトアミノフェン 1,000mgを、そしてもう一方のグループには同じような外見のプラシーボを服用してもらいました。

そして、服用から1時間が経過してアセトアミノフェンが効いてきたところで、様々な感情を喚起する写真40枚を被験者達に観てもらいました。 これらの写真には次の3種類が存在しました:

  • 不快な写真(泣いていたり栄養失調だったりする子供の写真など)
  • 中立的な写真(牧草地に立っている牛の写真など)
  • 非常に快い写真(猫と戯れる小さな子供の写真など)
そして被験者達に各写真について以下の評価を行ってもらいました:
  1. 写真のポジティブ/ネガティブ度。 -5点(非常にネガティブ)~+5点(非常にポジティブ)で評価。
  2. 写真により喚起された感情の量。 0点(何も感じない)~10点(すごく感情を喚起された)で評価してもらいました。
結果
プラシーボのグループに比べてアセトアミノフェンを飲んだグループは、49枚の写真を「非常にネガティブである」あるいは「非常にポジティブである」と評価することが少なく、さらに不快な写真でも快い写真でも喚起される感情の量が減っていました。
過去の研究で示されたようにアセトアミノフェンによって不快な写真を観てもあまり不快に感じなくなっていたけれども、それだけではなくて、快い写真を観たときに生じるポジティブな気持ちの変化も減っていた。

プラシーボのグループでは、心を最も強く揺さぶる写真を観たときの感情評価(2番目の評価)の平均点が6.76点だったのですが、アセトアミノフェンのグループの平均点は5.85点だったのです。 中立的な写真については両グループ間で違いは見られませんでした。

研究者は次のように述べています:
「アセトアミノフェンを服用したグループの人たちは、自分たちの写真への反応が通常と異なっているという自覚が無いようでした。 大部分の人はアセトアミノフェンの服用によって自分の感情がどう影響されるかを認識していないのではないでしょうか」