鎮痛薬に含まれるアセトアミノフェンに抗不安効果

(2013年4月) "Psychological Science" 誌に掲載されたブリティッシュ・コロンビア大学の研究によると、タイレノールなどの市販の鎮痛薬に含まれるアセトアミノフェンという成分に、不安感や恐怖感を抑える効果があるようです。

この研究によると、脳は、存在不安や死の恐怖などに起因する憂鬱感や不安感を痛みとして処理していますが、この「痛み」を伝える信号をアセトアミノフェンが阻害します。

米国で最近行われた研究に、友人グループに仲間外れにされたときの心の痛みをアセトアミノフェンで和らげることに成功したというものがあり、今回の研究はそれに着想を得て行われました。

研究の方法

被験者たちにアセトアミノフェンまたはプラシーボを服用したうえで、自分が死んだ後に自分の肉体がどうなるか(自分の体が火葬されて遺骨が骨壷に収められるなどでしょう)について作文をしたり、シュールレアリズムが特徴のデビッド・リンチ監督の映画を見たりしてもらいました。

そして、売春や暴動などの犯罪者に対して妥当と感じる罰金の金額を設定してもらいました。

結果

プラシーボを服用したグループに比べて、アセトアミノフェンを服用したグループのほうが、犯罪者に対して寛容(罰金の金額を低く設定した)で、ネガティブな思考への耐性も高いことが明らかになりました。

研究グループによると、これは、頭痛薬(アセトアミノフェン)で存在不安感が軽減されることを示唆します。

「頭痛薬で、頭痛だけでなく不安感に対しても鈍感になるというのは驚きだ」と研究者は述べています。

ただし研究グループは、臨床試験を行うまでは、アセトアミノフェンが抗不安薬として有効かつ安全であるかは確認できないと警告しています。