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解熱鎮痛剤の成分アセトアミノフェンが胎児に悪影響

(2013年10月) "International Journal of Epidemiology" に掲載されたノルウェーの研究によると、アセトアミノフェン(*)を主成分とする解熱鎮痛剤を妊娠中に頻繁に服用すると、生まれる子供に言語能力の障害や問題行動(†)のリスクが増加する可能性があります。 アセトアミノフェンは処方薬ではないので、誰でも簡単にドラッグ・ストアなどで買うことができます。

(*) 「パラセタモール」とも呼ばれる。 商品名で言えば「タイレノール」など。

(†) 問題行動とは、ネガティブな性質・爪を噛む・寝小便・攻撃性・反社会的行為など。

ただし研究者によると、短期間に限って時々アセトアミノフェンを使用するぶんには胎児への影響はないと考えられます。

研究の方法

この研究では、ノルウェーの子供 48,631人の母親を対象にアンケートを実施しました。 アンケートは、妊娠17~30週目と出産から半年後および3年後の3回行いました。 48,631人の中には性別を同じくする兄弟または姉妹が 2,919組含まれており、遺伝的な要因を考慮するのに用いられました。

結果

母親たちのうち妊娠期間中にアセトアミノフェンを服用した日数が合計で28日以上であったのは4%近くでしたが、この4%の母親の子供には妊娠中にタイレノールを服用した日数が28未満である(あるいは全く服用しなかった)母親の子供に比べて運動能力が劣っているように見受けられました。

またこの4%の母親の子供には、コミュニケーション能力や言語能力が劣っている・問題行動がある・歩き出す時期が遅いといった傾向もありました。 アセトアミノフェンを長期間にわたって使用していた妊婦では、子供が3才になった時点での問題行動のリスクが70%増加していました。

アセトアミノフェンによる3才の時点での発達への悪影響が成長と共に消滅するかどうかは現時点では不明です。

服用量が最も多かったケース

今回の研究で最も大量にアセトアミノフェンを服用していた人の服用量は、5~7日間の連続服用を妊娠中に2~3回というものでした。

イブプロフェンは発達に悪影響を及ぼさない?

研究グループは、同じデータを用いてイブプロフェン(アセトアミノフェンと同様に解熱剤に用いられる)によるリスクも調べましたが、イブプロフェンでは上記のような子供の発達への悪影響は見られませんでした。

死産・流産・早産のリスクは増えない?

過去の研究には妊娠中のアセトアミノフェン服用によって死産や早産のリスクが減るという結果になったものや、流産のリスクが増えないという結果になったものがありますが、データが不十分であるため確定的なことは言えません。

今回の研究と同じく "International Journal of Epidemiology"(2009年3月)に掲載された研究では、妊娠高血圧腎症がある場合にのみ妊娠中のアセトアミノフェン服用によって早産のリスクが増加するという結果になっています(この結果に関しても「今後の研究で確認する必要がある」と研究者は述べています)。