アセトアミノフェンによるダメージから肝臓を保護するのに乳酸菌が有効?

(2018年4月) "Experimental Biology 2018" で発表されたエモリー大学の研究によると、肝臓をアセトアミノフェンの大量摂取によるダメージから保護するのに乳酸菌が有効かもしれません。出典: Growing Evidence that Probiotics Are Good for Your Liver

研究の概要

マウスに解熱鎮痛剤の成分として用いられるアセトアミノフェンを大量に投与し、乳酸菌の一種であるラクトバチルス・ラムノサスGG(LGG)菌を同時に投与する場合としない場合とで肝臓への影響を比較しました(実験の期間は2週間)。

アセトアミノフェンの服用量が過剰だと、フリーラジカルが大量に発生して酸化ストレスが生じ、それによって肝臓が深刻なダメージを受けますが、乳酸菌を同時に投与されたマウスは投与されなかったマウスに比べて、肝臓のダメージが軽微でした。

研究者は次のように述べています:
「LGG菌の同時投与により肝臓の抗酸化反応が改善され、アセトアミノフェンなどの薬物により生じる酸化ダメージから肝臓が保護されます」

解説

肝臓は、①血液中に存在する毒素の除去や②食べたものをエネルギーへと変換するプロセスにおいて中心的な役割を果たします。 肝臓は消化プロセスにおいて「下流」に位置するため、腸内に住む細菌群の種類構成が肝臓の機能に影響するというのは理に適(かな)います。

今回の研究チームの以前の研究によると、LGGが肝臓を酸化ダメージから保護するプロセスにはNrf2と呼ばれるタンパク質が関与しています。 Nrf2はフリーラジカルに対抗するための遺伝子群の発現(遺伝子に基づいてタンパク質が作られること)を調節します。

マウス実験ではこれまでにも、LGGにアルコール性や非アルコール性の脂肪肝を予防する効果のあることが示されています。

こうした研究はいずれもマウス実験なので、ヒトでも同様であるかどうかを今後の研究で確認する必要があります。