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食生活が酸性に傾いている日本人は死亡リスクが高い

(2017年5月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された国立国際医療研究センター(日本)の研究で、食生活が酸性に傾いている人は死亡リスクが高いという結果になっています。出典: Dietary acid load and mortality among Japanese men and women: the Japan Public Health Center?based Prospective Study

研究の方法

ガン・心臓病・脳卒中・慢性肝臓疾患の病歴がない45~75才の男女9万2千人超を対象に食生活に関するアンケート調査を行い、その結果からPRALとNEAPと呼ばれる食生活の酸性度の指標のスコアを算出しました。

その後16.9年間にわたり生存状況を追跡調査して、PRALおよびNEAPのスコアと死亡リスクとの関係を分析しました。 分析においては、死亡リスクに影響する様々な要因を考慮しました。

PRALとNEAP

PRAL(potential renal acid load)は、食品の酸性かアルカリ性かを示す尺度です。 PRALでは、果物と野菜がアルカリ性食品に分類され、肉や魚などの動物性たんぱく質と穀類、それに塩分が添加された加工食品が酸性食品に分類されます。

NEAP(net endogenous acid production)は個々の食品ではなく食生活全体の酸性度の指標です。 NEAPの算出法(どの栄養素を計算に入れるか)は研究者により異なりますが、Frassetto et al.の提唱する算出法(*)では、1日の食事中に含まれるタンパク質とカリウムの量から食生活の酸性度を算出します。 タンパク質摂取量が多いほどスコアが高く(食生活が酸性に)なり、カリウム摂取量が多いほどスコアが低く(食生活がアルカリ性に)なります。 カリウムは野菜や果物に豊富に含まれています。
(*) NEAP〔mEq/日〕 = (54.4×タンパク質摂取量〔g/日〕)÷ カリウム摂取量〔mEq/日〕 - 10.2

結果

17年間近くにわたる追跡期間のうちに1万3千人弱が死亡しました。

PRALのスコアに応じてデータを4つのグループに分けた中で、PRALのスコアが最も高い(食生活が酸性に傾いている)グループは最も低い(食生活がアルカリ性に傾いている)グループに比べて、死亡リスク(死因を問わない)が13%高くなっていました。

この数字は、心血管疾患(心臓病や脳卒中)で死亡するリスクに限ると16%、心血管疾患のうち心臓病(虚血性)で死亡するリスクに限っても16%でした。 ガンに関しては、PRALスコアと死亡リスクの間に関係が見られませんでした。

NEAPのスコアについても、死因を問わない死亡リスクや死因別の死亡リスクにおいてPRALスコアと同様の関係が見られました。

類似研究

"Journal of Nutrition"(2016年)に掲載されたスウェーデンの研究では45~84才のスェーデン人男女8万人超を13.5年間にわたり調査して、食生活が酸性とアルカリ性のどちらに偏っている場合にも死亡リスクが高いという結果になっています。 ただし、死亡リスク増加幅は(食生活が中性の場合に比べて)1~5%と小幅です。