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酸性の食事で腎臓疾患が悪化

(2013年11月) 米国のアトランタ市で開催中の "American Society of Nephrology Kidney Week 2013" で発表される予定の2つの研究によると、腎臓の健康にとって肉や穀物などの酸性食品(下記参照)の摂取量コントロールするのが有益です。

腎機能が低下すると、体内で作られた酸性の物質を排出されずに血流中に蓄積し、様々な組織やプロセスに悪影響を与えます。 果物や野菜などのアルカリ性食品を摂取することで、これらの悪影響を緩和できると考えられます。

1つ目の研究

この研究では、高血圧性腎症(高血圧が原因で腎臓がダメージを受ける)の患者を次の3つのグループに分けて、アルカリ性食品の摂取が腎臓にとって有益であるか否かを調べました:

  1. 果物と野菜を余分に食べたグループ(23人)
  2. 体内をアルカリ性に傾ける薬物(alkaline medication)を服用したグループ(23人)
  3. 普段通りの食事を続けたグループ(25人)
1年後、3のグループでは腎臓のダメージが悪化していましたが、1と2のグループでは悪化していませんでした。
2のグループでも悪化していなかったことから、果物と野菜のアルカリ性によって腎臓の機能が維持されたと考えられるということなのでしょう。
2つ目の研究

東京共済病院による2つ目の研究では、249人の慢性腎不全(CKD)患者を対象に、CKD の進行に対する食事の酸性度の関与の度合いを調べました。

その結果、体の酸性度が高い患者では、酸性度が低い患者に比べて、腎機能が速いテンポで低下しており、CKD が進行するリスクも増加していました。

この結果から、CKD の進行を予防するうえで、体の酸性度のチェックとコントロールが有効であることが示唆されます。

JASN に掲載された研究

(2015年2月)"Journal of the American Society of Nephrology(JASN)" にも同様の研究が掲載されています。

JASN に掲載された研究では、慢性腎疾患(CKD)を抱えている成人 1,486人の14.2年間(中央値)分のデータを分析しました。

その結果、酸性度の高い食事とCKDから腎不全へと進行するリスクとの間に強い相関関係が見られました。 酸性度の高い食事をしていたグループが腎不全を発症するリスクは、酸性度の高くない食事をしたいたグループの3倍でした。

酸性食品とアルカリ性食品

Wikipedia によると、食品が酸性かアルカリ性かというのは、食べたときの酸っぱさではなく、食品が消化されたのちに体内で酸性になるかアルカリ性になるかということです。

酸性のミネラルである塩素や、リン、硫黄を多く含む食品であれば体は酸性に傾き、アルカリ性のミネラルであるナトリウムや、カリウム、カルシウム、マグネシウムを多く含む食品であればアルカリ性に傾きます。

このような基準でアルカリ性食品に分類されるのは、野菜や、果物、海藻、キノコ、干し椎茸、大豆などであり、酸性食品に分類されるのが肉・魚・卵などの動物性タンパク質や、砂糖、米・麦などの穀類、酢です。 したがって「腎臓疾患の人は肉よりも豆腐を食べると寿命が延びる」 という研究も今回の研究と合致するということになりますね。

今回の2つの研究と同じく "American Society of Nephrology Kidney Week 2013" で発表された研究に砂糖や清涼飲料水が腎臓に悪影響を与えるというものがありますが、清涼飲料水には酸性食品である砂糖の他に、リン酸という酸性度を上げる物質(炭酸の刺激を強くするためでしょうか)も含まれています。