「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

他人に親切にして得られる幸福感は意外に少なかった

(2016年10月) オックスフォード大学などの研究(システマティク・レビュー)によると、他人に親切にすることで得られる幸福感は控えめです。

レビューの方法

親切行為と幸福感の関係について調べた400超の研究の中から一定の基準を満たす21の研究を選出し、それらのデータを統合的に分析しました。

結果

親切行為によって確かに幸福感が増していましたが、その増加幅は10%未満(10段階の幸福度評価で1段階にも満たない程度)でした。 研究の手法やデータの量において品質が低い研究は増加幅が大きいという傾向がありました。

解説

今回のレビューで調査対象となった既存の研究には、家族や友人をターゲットとして行われる親切行為と赤の他人をターゲットに行われる親切行為とを区別しているものがありませんでした。

家族や友人に狙いを定めて遂行される親切行為と、赤の他人をターゲットにほんの出来心で行われてしまう通り魔的な親切行為とでは幸福感の増加量(あるいは質も)が異なる可能性があるので、その点に着目した研究が今後行われることが望まれます。
筆すべり

家族や友人を標的とする親切行為よりも、見知らぬ人に対して通り魔的に行われる無差別親切行為のほうが利他性が強いでしょうから、幸福感のアップ度も高いのではないでしょうか。

ただし、自分が幸せな気持ちになりたいからといって、他人に不要な親切行為を押し付けるようなこと(いわゆる「親切の押し売り」)があってはなりません。 親切行為はTPOをわきまえて常識の範囲内で適切に行いましょう。

他人が親切行為を必要とするような状況を作為的に作り出すのも良くありません。 それは結局、「親切行為により幸せになりたい」という自分の欲望のために他人に不都合を引き起こしているということなのですから。 そんな利己的な親切行為で幸福感を得られるはずもありません。