ADHD の子供は低収入・低学歴の家庭に多い

"Journal of Child Psychology and Psychiatry"(2013年11月)に掲載された英国の研究によると、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子供は社会経済学的な地位(収入や学歴)が低い家庭に良く見られます。

研究の方法

2000~2002年に生まれた英国人の子供 19,500人以上のデータ(生後9ヶ月、3才、5才、7才、および11才の時点)を調べました。

結果
主な結果は次の通りです:
  • ADHD の無い子供では週当たりの世帯収入が391ポンド(2013年11月27日現在、1ポンドは164円)であったのに対して、ADHD のある子供では324ポンドだった。
  • 公営住宅(政府などの補助金で家賃が安くなっている賃貸住宅)に住んでいる家庭では、子供に ADHD がある率が、持ち家に住んでいる家庭の約3倍になってた。
  • 母親が若い子供は、他の子供と比べて、ADHD である率が有意に高くなっていた。
  • 母親が大卒でない子供は、母親が大卒の子供に比べて、ADHD がある率が2倍だった。
  • (死別・生別を問わず)片親の子供は、両親が揃っている子供に比べて、ADHD である率が高くなっていた。
解説
研究者は次のように述べています:

「ADHD には遺伝的な面もありますが、今回の結果は、社会経済学的な不利も ADHD の一因であることを示唆しています。

『(世帯収入の低さが ADHD の原因なのではなく)ADHD の子供がいるために世帯収入が減るのだ』と主張する人もいますが、今回の研究結果からすれば、そのようなことはありません」
これまでに北欧・米国・オーストラリアでも今回と同様の研究が行われており、同様の結果となっています。