ADHD 改善用のソフトウェアは効果が無い?

"Clinical Psychology Review" 誌(2013年12月)に掲載された米国のレビュー(過去の複数の研究の分析)によると、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状を軽減して、学校での振舞いや友人関係、多動、や注意力散漫などを改善する効果があるとされるコンピューター・ソフトに、そのような効果はありません。

研究の内容

25の研究のデータを2年間かけて分析し、このようなコンピューター・ソフトに学業成績や振る舞いを改善させるというような、統計的あるいは臨床的に有意な効果は認められないという結論に達しました。 25の研究には、ADHD改善用のソフトのメーカー自身が行ったものと第三者が行ったものが含まれます。

解説

ADHDの子供の特徴の1つは、ワーキング・メモリーの欠如です。 ワーキング・メモリーを改善することで、学業成績・振る舞い・友人関係などの知的能力が改善されることが示されています。

ADHD改善ソフトで鍛えられるのは短期記憶

ADHD改善用の高価なソフトの大部分はワーキング・メモリーを鍛える効果があると謳っていますが、今回のレビューでは、このようなソフトで鍛えられるのがワーキング・メモリーではなく短期記憶(ショートターム・メモリー)であることが明らかになりました。

情報を短期間保存するのが短期記憶ですが、ワーキング・メモリーでは短期記憶で保存した情報を用いて読解や暗算、マルチタスキング(複数の作業を並行して行う)などを行います。

研究者によると、短期記憶ではなくワーキング・メモリーにきちんと作用するソフトであれば効果が期待できます。