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食生活の炎症度と精神的ストレスの関係

(2017年2月) "Archive of Iranian Medicine" に掲載されたサウス・カロライナ大学などの研究で、炎症を促進しがちな食生活を送っている思春期の女の子は精神的なストレスを感じていることが多いという結果になりました。

炎症について

炎症は病原体や有害物質に対して免疫系が引き起こす自然免疫反応の一部で、傷の治癒を促進したり病原菌を抑制したりするのに役立ちます。

しかし、炎症は健全な組織まで傷つけてしまうので、感染症や怪我などが生じていないときにも炎症がだらだらと継続する慢性的な炎症は体にとってマイナスとなります。 慢性的な炎症はガン・糖尿病・心臓疾患・リウマチ・抑鬱・アルツハイマー病など様々な病気の一因になると考えられています。

慢性炎症の原因となるのは、体内から排除されずに残っている病原体・有害物質・免疫系の異常・運動不足・肥満・遺伝的体質・加齢などですが、食事内容も慢性炎症に大きく影響します。

研究の概要
方法

イランに住む15~18才の女の子299人を対象に、精神状態(抑鬱・不安感・ストレス)に関するアンケートと食生活に関するアンケートを実施しました。

食生活のアンケートの結果に基づいて食事炎症指数(DII)を割り出し、DIIのスコアに応じてデータを3つのグループ分け、グループ間でストレスの有無や程度を比較しました。

結果

中程度以上の精神的ストレスを抱えていたのは84人でした。 DIIスコアが最も高かった(食生活の炎症促進性がもっとも強かった)グループはDIIスコアが最も低かったグループに比べて、中程度以上の精神的ストレスを抱えているリスク(オッズ比)が3.48倍でした。 DIIスコアが最も高かったグループは、ストレスの程度も強い傾向にありました。

関連研究

"Eating Behaviors" 誌(2016年)に掲載された研究に、精神的ストレスを感じている人はカフェイン飲料・炭酸飲料・ファーストフード・冷凍食品・塩気の多いスナック菓子を食べることが多いという結果になったものがあります。

カフェインがDIIにおいてスコアを下げる(炎症を抑制する)食品に分類されてこそいるものの、それ以外の炭酸飲料・ファーストフード・冷凍食品・塩気の多いスナック菓子といった食品はいずれも炎症を促進します。

ファーストフードと冷凍食品はどちらも、抗炎症食の専門家であるアリゾナ大学の Andrew Weil 医学博士が避けるべきであるとして挙げている食品ですし、炭酸飲料に大量に含まれている糖類はDIIスコアをプラスに傾ける栄養素です。 塩分も炎症が悪化する食品の1つに挙げられることがあります。

解釈
今回の研究にしても "Eating Behaviors" 誌に掲載された研究にしても、食生活がストレスに影響を与えているのか、それとも逆にストレスが食生活に影響を与えているのかは現時点では不明なのでしょう。 ストレスと不健全な食生活が双方向的に影響しあって悪循環を起こしている(*)という可能性もあるかもしれません。
(*) ...精神的ストレス → 炎症を促進する食生活 → ストレス悪化 → 食生活の炎症度が悪化 → ストレスがさらに悪化 → 食生活の炎症度がさらに悪化 → ストレスがさらにさらに悪化...