思春期~更年期における乳製品の摂取量と乳ガンになるリスクの関係

(2018年5月) "Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention" 誌に掲載されたハーバード大学などによる研究で、思春期~更年期における乳製品の摂取量と乳ガンになるリスクとの関係が調査されています。
Maryam S. Farvid et al. "Dairy Consumption in Adolescence and Early Adulthood and Risk of Breast Cancer"

研究の方法

27~44才の女性9万人超を対象に1991年に食生活に関するアンケート調査を実施しました(成人後の乳製品摂取量を調べた)。

そして 1998年に、9万人超のうちの4万4千人超を対象に思春期における乳製品の摂取量に関するアンケート調査を実施しました。

そして、1991~2013年および 1998~2013年にかけて、乳ガンの発生状況を追跡調査しました。

結果

浸潤性乳ガン(当初の発生個所から周囲の組織にまで広がった乳ガン)の発生件数は、1991~2013年が 3,191件および 1998~2013年が 1,318件でした。

乳ガン全体

乳ガンの種類を問わずに分析すると、思春期や成人後における摂取量と発症リスクとの間に関係が見られませんでした。 カルシウム・ビタミンD・乳糖の摂取量に関しても乳ガンのリスクとのあいだに関係が見られませんでした

ホルモン受容体が陰性の乳ガン

エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体が陰性の乳ガンに限ると、思春期における乳製品の摂取量が1食/日増えるごとに発症リスクが11%増加していました。 高脂肪の乳製品に限ると、この数字は17%でした。

ホルモン受容体が陽性の乳ガン

エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体が陽性の乳ガンに限ると、思春期における高脂肪の乳製品の摂取量が1食/日増えるごとに、発症リスクが9%低下していました(乳製品全体では関係が見られなかったのでしょう)。

成人後の乳製品摂取量とホルモン受容体陽性/陰性の乳ガンになるリスクとの関係については、論文要旨に記述が見当たりません。 成人後の乳製品摂取量に関しては、ホルモン受容体の状態別に乳ガンを分けても発症リスクとのあいだに関係が見られなかったのかもしれません。