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炎症と酸化ストレスを促進する物質「AGE」の有害性と対策 (レビュー)

(2018年7月) ヒト栄養研究所(ドイツ)の研究グループがAGE(終末糖化産物)の健康への影響についてまとめたレビューを "Ageing Research Reviews" 誌に発表しています。

AGEについて

AGEは糖質とタンパク質などのアミノ酸が熱に反応して作られるCML(*)やCEL(†)などの物質のことで、人体にとって有害である恐れがあります。 AGEは体内で作られるほか、食品の加熱調理により食品中に生じます。 こんがりと焼けたパンや肉の美味しそうな色や風味はAGEに由来します。

(*) Nε-(carboxylmethyl)-l-lysine

(†) Nε-(carboxylethyl)-l-lysine

AGEの有害性

AGEには炎症や酸化ストレスを増大させる作用があり、高齢者においてアルツハイマー病や虚弱のリスクを増加させたりする恐れがあります。 老化にも関与していると考えられています。

食事から摂取するAGEによりAGEの血中濃度が増加する(食事から摂取するAGEも人体に吸収される)というデータがありますが、食事から摂取するAGEが体内に吸収されるメカニズムはよくわかっておらず、食事から摂取するAGEが実際的な意味のある程度に有害なのか否かについては意見が分かれています。

AGEの含有量が多い加工食品

AGEの含有量が多い加工食品はパンやケーキなどのベーカリー製品と加工肉(缶詰など)です。

コーヒーのAGE含有量

UPLC-MS/MSという手法による検査では、コーヒー(焙煎ずみ)のAGE含有量は少ないという結果になっています。 しかし、AGE含有量は検査法により結果が大きく異なることがあります。

調理法とAGE発生量

食品中のAGE含有量は調理法に大きく左右されます:
  1. 水分が少ない状態で加熱高温で調理するとAGEの発生量が増える。 ただし、加熱調理の対象となる食品が含有する水分が完全にゼロであると、AGEを生成するメイラード反応が阻害される。
  2. 加熱調理の時間が長くなるとAGEの発生量が増える。
  3. 食品のpHが高い(アルカリ性)とAGEの発生量が増える。 高pH環境下ではアミノ酸と糖の反応性が増加するため。

対策

AGE対策として最も簡単なのは、食品から摂るAGEの量を減らすことです。 AGE含有量が多い加工食品を避けたり、調理法に気を付けたりしましょう。 これまでの研究によると、AGEの摂取量を減らすことで炎症と酸化ストレスが減少し、健康にプラスとなるようです。

AGEの摂取量を減らす以外では抗酸化物質(ポリフェノールなど)の摂取量を増やすのもAGE対策として有効かもしれません。 ベリー類(いちごやブルーベリー)を食べたり食生活をメディテラネアン・ダイエットに近づけたりすると良いでしょう。

ただし、こうしたAGE対策がアンチエイジングや加齢性疾患の予防に効果を発揮するか否かに関してはデータが不足しているため、今後の研究で調査を続ける必要があります。