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有酸素運動により、ガンを助長し予後の指標ともなる物質が減る

(2017年7月) "Clinical Colocrectal Cancer" 誌に掲載されたダナ・ファーバーがん研究所などの研究により、有酸素運動の習慣を続けるとガンを助長する物質が減るという結果になりました。

研究の方法

ステージ1~3の結腸ガンの患者39人を次の3つのグループに分けて半年間を過ごしてもらいました:
  1. 通常のケアだけを続けるグループ
  2. 強度の有酸素運動(*)を1週間あたり150分間行うことを目標とするグループ
  3. 中強度の有酸素運動を1週間あたり300分間続けることを目標とするグループ
(*) ジョギングや、早いペースでのウォーキング、自転車など。

結果

グループ2は142分間/週の運動を達成しました。 グループ3は247分間/週の運動を達成しました。 運動による副作用はこれといって見られませんでした。

グループ1に比べて、グループ2はsICAM-1と呼ばれガンの予後の指標となる物質(少ないほうが良い)の血中濃度が135ng/mL少なくなっていました。 グループ3では、この数字は115ng/mLでした。

結論

ステージ1~3の結腸ガン患者にとって、300分間/週の有酸素運動は安全に達成可能な運動量でした。 そして、運動によってガンの予後のバイオマーカーであるsICAM-1にも有益な変化が生じました。

sICAM-1について

"Translational Lung Cancer Research" 誌に掲載されたレビューによると、sICAM-1は免疫系が腫瘍を認識するのを阻害したり、腫瘍の血管新生(*)を促して腫瘍の成長を促進したりすると考えられています。 sICAM-1の血中濃度は、結腸ガンに限らずガンの予後を反映している可能性があります。
(*) 腫瘍における血管新生とは、腫瘍の増殖に必要となる新たな血管が形成されることです。 腫瘍は、サイズの直径が数ミリを超えると低酸素状態になり、化学物質を放出します。 この化学物質によって血管新生が起こり、腫瘍が成長します。

135ng/mLや115ng/mLという低下幅はどれくらいのもの?

"British Journal of Cancer" に掲載された研究を見ると、sICAM-1の血中濃度(中央値)が、転移性の非小細胞肺ガンの患者では404ng/ml、非転移性の非小細胞肺ガンの患者では280.6ng/ml、健康な喫煙者では312.0ng/ml、健康な非喫煙者では225.2ng/mlとなっていますから、今回の研究における運動習慣による100ng/ml超の減少幅というのは少なからぬインパクトがある数字ではないかと思います。
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