(2018年1月) "Journal of International Medical Research" に掲載されたモリンダ・ジャパン社などの研究で、生活習慣が健康的な人は終末糖化産物(AGE)と呼ばれ肌の老化を促進する物質が肌に蓄積する量が少ないという結果になっています。
AGEとは
AGEは糖化(糖鎖形成)というプロセスによって生じる物質です。 AGEは体内で作り出されるほか、加熱調理によりAGEが発生した食品を摂取することでも体内に取り込まれます。
AGEはタンパク質を変質させる作用を通じて、肌に次のような悪影響を引き起こします:- シワが生じる。
- 老化する。
- 紫外線でダメージを受けやすくなる。
若いうちはAGEがもたらす悪影響も平気ですが、コラーゲンやエラスチンの生産能力が衰える35才くらいから、AGEがもたらすダメージ(シワやタルミ)が目に見えるようになってきます。
研究の方法
20~79才の日本人男女1万人超を対象に、生活習慣について尋ねるアンケート調査と皮膚自己蛍光(SAF)値の測定を実施しました。 SAFには皮膚組織に蓄積するAGEの量が反映されます。
結果
年齢が高いほどAGEの蓄積量が多くなっていました。
AGEの蓄積量が少ない人の生活習慣には次のような共通点が見られました:- 身体活動量が多い。
- タバコを吸わない。
- 睡眠をしっかりと取れている。
- 精神的なストレスが少ない。
- 朝食を食べる習慣がある。
- 糖類をあまり摂らない。
類似研究
"European Journal of Nutrition"(2017年)に掲載されたモナシュ大学の研究でも、健康な成人251人を調査して、「年齢・喫煙習慣・糖類摂取量とAGEの蓄積量の関係」について今回と同様の結果となっています。
このオーストラリアの研究では「太っている(特に腹部)場合や肉類の摂取量が多い場合にAGEの蓄積量が多い」という関係も示されています。 オーストラリアの研究では、朝食・ストレス・睡眠・身体活動は調査していません。