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老化により筋肉の修復力が衰える理由。 治療薬の可能性も

(2014年9月) 年を取ると筋肉(骨格筋)の修復力が衰えるのは幹細胞の働きが弱くなるためですが、"Nature Medicine" 誌に掲載されたオタワ大学の研究により、その理由が明らかにされました。 加齢に伴って JAK/STAT シグナル伝達経路と呼ばれる経路が活性化していたのです。

筋肉の修復や筋肉組織を再構築する能力が衰えるのは「サテライト(衛星)細胞」と呼ばれる幹細胞の量が減るためです。 サテライト細胞の量が維持されるには、サテライト細胞の分裂時に一部が幹細胞として残る必要があるのですが、年を取って JAK/STAT 経路の活性が増大することによって、2つのサテライト細胞へと分裂するタイプの分裂(対称性分裂)が減り、最終的に筋肉繊維になるタイプの分裂が増加します。

研究チームは動物実験を行い、ガンの化学療法に用いられる薬によって JAK/STAT 経路を阻害して筋肉の修復力を若返らせることにも成功しました。 この薬は毒性が強いのですが、毒性が弱くて同じ効果のある薬が見つかれば、筋ジストロフィーなどの筋肉消耗性疾患の治療にも使える可能性があります。