老化と筋肉とタンパク質や腸内細菌バランス (レビュー)

(2018年7月) キングズ・カレッジ・ロンドン(英国)の研究グループが、老化・筋肉・タンパク質摂取・腸内細菌などの関係についてまとめたレビューを "Nutrients" 誌に発表しています。

レビューの骨子

  1. 筋肉の量も力も機能も加齢により低下する。 そのため年を取るとサルコペニア(筋力の著しい低下)や虚弱など老年性の問題が生じやすくなる。
  2. 筋肉機能の維持には食事でタンパク質を摂ることが肝心である。 筋力トレーニングも筋肉の維持に有益であるように見受けられる。 タンパク質の摂取と筋力トレーニングを組み合わせることで相乗効果を得られることだろう。
  3. しかし、高齢になるとタンパク質同化抵抗性という問題が生じる。 タンパク質同化抵抗性が生じると、筋肉タンパク質の合成に求められるタンパク質の量が増加する。
  4. したがって、高齢者のほうがタンパク質の必要量が多い(体重1kgあたり1.0~1.3g/日。病気や怪我の場合には最大で2.0g/日)。
  5. タンパク質同化抵抗性のメカニズムは完全には解明されていないが、タンパク質同化抵抗性には腸内細菌が直接的あるいは間接的に関与している。
  6. 腸内細菌は、タンパク質同化抵抗性だけでなく筋肉の機能にも関与していると思われる。 したがって、タンパク質を摂ったときの筋肉への効果に腸内細菌が影響している可能性がある。
  7. 乳酸菌などのプロバイオティクスやイヌリンなどのプレバイオティクスによる腸内細菌バランスの改善が、筋肉量や筋力の向上に有効かもしれない。