年を取ると甘味を感じる味蕾が減少し血糖値が高くなる

(2014年6月) "ICE/ENDO 2014" で発表された National Institute of Aging の研究により、老化によって味蕾(みらい。舌に存在し食べ物の味を感じるセンサー)の数が減少すること、そして味蕾の数が少ない人では血糖値(空腹時)が通常よりも高い傾向にあることが明らかにされました。

血糖値が高いというのが、糖尿病の主な兆候であることから、加齢による2型糖尿病リスクの増加に味蕾の減少が関与している可能性が考えられます。

これまでの研究

これまでの研究では、2型糖尿病患者では甘味を感じる能力が損なわれていること参考記事: 2型糖尿病の患者は、腸の甘味受容体に異常が生じているが示されているほか、動物を用いた研究により、ブドウ糖の代謝に必要なホルモン群が味蕾で生産されていることと、老化に伴い味蕾の数が減少することが示唆されています。

今回の研究

今回の研究では、ヒトにおいても老化によって味蕾の数が減少することを確認することを目的として、353人の味蕾のうち茸状乳頭(ポリープ状乳頭)と呼ばれる部分(舌の先端部分に存在し甘味受容体を備える)の数(密度)を調べました。 味蕾の数は舌を青色の食用色素で染めることによって把握しました。

調査の結果、高齢者では味蕾の数が少ない傾向にありました。 この結果は、昨年(2013年)10月に発表された大規模な臨床試験(Beaver Dam Offspring Study)の結果と合致します。

今回の研究ではさらに、味蕾の数が少ない人ほど空腹時血糖値が高く、アディポネクチンと呼ばれる有益(とも限らないようですが)な脂肪細胞が少ないことも明らかになりました。 アディポネクチンは過去の複数の研究により、体内で不足すると肥満と2型糖尿病のリスクが増加する要因となることが示されています。

コメント
研究者は次のように述べています:
「味蕾の数と血糖値との関係を示す研究は私が知る限りでは、今回のものが初です。 ただし、味蕾の数と血糖値とのあいだに因果関係が存在しないという可能性も十分に考えられます。(もちろん、)味蕾の数が減るためにブドウ糖の代謝に関与するホルモン群が分泌される種類が減っている可能性もあります。 この点を明確にするために、もっと長期的な研究が必要です」