感情が激しく乱れたり肉体を酷使してから1時間以内は心臓発作に要注意

(2016年10月) "Circulation" 誌に掲載されたマックマスター大学(カナダ)の研究によると、怒ったり、気が動転したり、肉体を酷使したりしてから1時間は心臓発作に注意が必要かもしれません。

研究の方法
初めて心臓発作を起こした男女1万2千人超(*)を対象にアンケート調査を実施して、心臓発作になる直前の1時間以内および心臓発作を起こす前日の同じ時間帯に心臓発作の引き金となる出来事を経験したかどうかを尋ねました。
(*) 平均年齢58才。 世界52ヶ国から選出された。
結果

怒ったり、気が動転する出来事があったり、肉体を酷使したりしてから1時間のうちは、心臓発作の症状が始まるリスクが2倍超に増加していました。

肉体を酷使している最中に怒ったり気が動転する出来事があってからの1時間では、このリスクは3倍超に増加していました。

感情の乱れや肉体の酷使による心臓発作リスクの増加は、年齢や喫煙習慣や肥満・高血圧・その他健康問題の有無とは無関係に生じるように見受けられました。 人種や居住国による違いも見られませんでした。

解説
メカニズム

研究者の話では、感情の乱れと身体活動はどちらも、極めて激しい場合に同じような影響を肉体に及ぼします。 感情が激しく乱れたり過酷な身体活動をすると、血圧が上がり、心拍数が増加し、血流に変化が生じ、心臓に流入する血液の量が減少します。 動脈硬化を抱えている人では、肉体に生じるこのような異変が特に重大な意味を持ちます。

運動で心臓発作になる?

研究者によると、運動習慣は色々な面において健康にとって有益で、心臓病の予防にも効果があります。 したがって、心臓発作を恐れたりせず運動習慣は継続すべきです。 しかしながら、怒りなどの感情を発散するために普段以上に激しく極端な運動をするのはお勧めできません。

今回の研究の弱点

1つ目の弱点は、心臓発作のきっかけとなる出来事のデータがアンケート調査に基づくものだったというものです。 アンケート調査は回答者の記憶に頼るため、データの信頼性が低くなります。 特に心臓発作が起きた後には、「心臓発作のきっかけとなる出来事が何かあったはずだ」と考えてしまいがちです。

2つ目の弱点は、「怒り」「気持ちの動転」「肉体の酷使」の定義が決められていなかったという点です。 何をもって「怒り」や「気持ちの動転」や「肉体の酷使」とするのかが回答者ごとに異なっていたというわけです。