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大気汚染により乳腺密度が高くなって乳ガンリスクが増加する恐れ

(2017年4月) "Breast Cancer Research" 誌に掲載されたフロリダ大学の研究によると、大気汚染により乳腺密度が高くなりやすくなる恐れがあります。

乳腺密度とは、乳房内の脂肪組織に対する結合組織と腺組織の割合のことで、脂肪組織が多いほど乳腺密度は低くなります。 乳腺密度が高い人は乳ガンになりやすい(リスクが4~6倍に増加)ことが知られています。

研究の方法

28万人近くの米国人女性のデータを用いて、PM2.5という大気汚染物質と乳腺密度の関係を調べました。

PM2.5について

PM2.5とは粒子径が2.5μm以下の粒子状物質(Particulate Matter)のことで、日本語では「微小粒子状物質」とも呼ばれます。 PM2.5の発生源は火力発電所・工場・自動車・バイク・焚き火~森林火災などです。

PM2.5はサイズが小さいため、肺の奥深くにまで入り込んで有害性を発揮します。 PM2.5により心臓発作・脳卒中・肥満・糖尿病・肺ガンなどのリスクが増加すると考えられます。

また、PM2.5の成分として、ホルモンに影響する化学物質も含まれています。 研究チームによると、こうした化学物質が乳房の細胞の成長に干渉して乳腺密度を高めている可能性があります。

結果

PM2.5による大気汚染の程度が1段階増えるごとに、乳腺密度が高い率が4%増加していました。

また、乳腺密度が高い女性は高濃度の大気汚染にさらされているケースが20%多い一方で、乳腺密度が低い性は高濃度の大気汚染にさらされているケースが12%少なくなっていました。

オゾン

大気中のオゾン濃度が1段階上がるごとに、乳腺密度が高い率が3%下がっていました。

関連研究
  • "Environment International" 誌(2014年)に掲載されたオレゴン州立大学などの研究で、大気中のNO2濃度(自動車やバイクなどの排気ガスに由来する大気汚染の指標)が 10ppb増加するごとに乳ガンのリスクが10%増加するという結果になっています。 更年期前の女性に限ると32%のリスク増加。
  • "Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention" 誌(2016年)に掲載されたバーミンガム大学などの研究では、PM2.5の濃度が10μg/m3増加するごとに10年間のうちに各種のガンで死亡するリスクが22%(乳ガンに限ると80%)増加するという結果になっています。
  • "BMJ Open"(2016年)に掲載されたイタリア国立がん研究所の研究でも、PM2.5の汚染が最もひどい地域に住む乳ガン患者は、PM2.5の汚染が最も軽微な地域に住む乳ガン患者に比べて、乳ガンで死亡するリスクが1.7~1.8倍だという結果になっています。
  • いったん乳ガンになってしまうと乳腺密度が高い方が予後が良好だという研究(2016年に発表された東フィンランド大学の博士論文)もあります。 乳ガン患者278人のデータを調査して、乳腺密度が非常に低い場合には乳ガンの予後が良くないという結果でした。