大気汚染は人を堕落させる

(2018年2月) 大気汚染が健康に有害であることはよく知られていますが、"Psychological Science" 誌に掲載されたコロンビア大学などの研究によると、大気汚染は人の肉体だけでなく心をも蝕む恐れがあります。

研究の概要

米国の 9,360の市における9年間分の大気汚染と犯罪(殺人・暴行・強盗など)に関するデータを分析したところ、大気汚染がひどい地域は犯罪が多い傾向にありました。 人口・警官の数・住民の年齢層/性別/人種の分布・貧困率・失業率・経済状況などを考慮して分析しても同様の結果となりました。

実験

この結果を確認するために、数百人の被験者に大気汚染がひどい地域に住んでいる場合と大気が清浄な地域に住んでいる場合をイメージさせる(実際に住まわせるわけにはいかないので)という実験を行ったところ、大気汚染がひどい地域に住むことをイメージした場合には実際のお金がかかったゲーム(1回成功すると50円ほどもらえる)でズルをすることが増えていました。

さらに別の実験では、大気汚染により人が堕落するのは不安感が原因であるようであることが示されました。 大気汚染により不安感が増大するために非倫理的な行為に走ってしまうのではないかというのです。

これまでの研究でも、大気汚染の悪化により不安感が増大すること、そして不安感が増すと各種の非倫理的な行為をしやすくなることが示されています。