大気汚染がある地域でも運動は健康にとってプラスになる

(2015年4月) ランニングやウォーキング、自転車など戸外でする運動では車の排気ガスなどの大気汚染が気になりますし、実際のところ大気汚染によって早死にのリスクが増加するというデータもありますが、"Environmental Health Perspectives" 誌に掲載されたコペンハーゲン大学の研究によると、大気汚染が懸念される都会であっても運動をしないよりはする方が健康的だと思われます。 (出典: Does traffic-related air pollution in urban air modifies beneficial effects of exercise on mortality? A cohort study

人口が密集している地域を対象とした調査で、運動をしない人よりもする人の方が早死にすることが少ないという結果だったのです。 ただし研究者は、なるべく車の少ない場所で運動することを勧めています。

研究の方法

この研究では、コペンハーゲン(デンマークの首都)またはオーフス(デンマークで2番目に大きな都市)に住む50~65才の男女 52,061人の次のデータを分析しました:

  1. スポーツ・歩行・自転車・庭仕事などの運動に関するデータ
  2. 死亡率のデータ
  3. 居住地域における交通由来の大気汚染(二酸化窒素)のデータ
結果

13年間のデータ期間中に亡くなったのは 5,500人でした。 運動をしている人たちは、運動をしない人たちに比べて死亡率が統計学的に有意に(約20%)低くなっていました。

大気汚染が最もひどい地域(都心部や混雑する道路・高速道路の近く)に住んでいる人たちであっても、この有意性は失われていませんでした。 ただし、自転車と庭仕事により低下していた呼吸器に起因する死亡率に関しては、高レベルの大気汚染によって無効化されていました。

結論
研究チームは次のように結論付けています:

「総死亡率(死因を問わない死亡率)、心血管死亡率(心臓病や脳卒中による死亡率)、糖尿病による死亡率が運動により有意に低下しており、この運動の効果は交通由来の大気汚染がひどい場合にも損なわれていなかった」

「一方、呼吸器による死亡率に関しては、大気汚染がひどい地域では運動による死亡率低下の効果が無効化されているようだった」
「無効化(annul)」という言い方からして、運動によるプラスと大気汚染によるマイナスで差し引きゼロということなのでしょう。 呼吸器以外による死亡率が軒並み運動によって下がっているため、トータルで言えば、大気汚染がある地域で戸外で運動するのも健康にとってプラスになるという計算になります。