大気汚染で糖尿病のリスクが増加

(2016年9月) "Diabetes" 誌に掲載された Helmholtz Zentrum Munchen(ドイツ)などの研究によると、自宅で大気汚染にさらされていると(特に糖尿病前症の人で)糖尿病になるリスクが増加します。

研究の方法
アウクスブルク市または同市に隣接する2つの田舎地域(*) の住民3千人近くを対象に血液検査や経口ブドウ糖負荷試験などを実施したデータを、住民たちが住む各地域の大気汚染(†)の程度に関するデータと照らし合わせました。

(*) (アウクスブルクと2つの田舎地域のどちらについて述べているのかは不明ですが)今回調査対象となった地域の大気汚染のひどさは、EUの環境基準には合格しているけれどWHOの提唱する環境基準(EUのものより厳しいのでしょう)は満たしていない程度のものでした。

(†) 二酸化窒素と粒子状物質。 二酸化窒素は自動車などの排気ガスに由来します。
結果
結果について研究者は次のように述べています:
「大気汚染の悪影響は、すでに糖尿病前症になっていた人で顕著でした。 この人たちでは、大気汚染濃度と血中の指標物質の量の増加の関係が特に顕著だったのです。 したがって、糖尿病前症の人では特に、大気汚染が2型糖尿病のリスク要因となります」
補足

アブストラクトを見ると、10μm超のサイズの微粒子状物質の濃度が7.9μg/m3増えるごとに、データ全体でHOMA-IRが15.6%、インスリン値が14.5%増加していたとあります。

また、二酸化窒素の濃度が増えるとHOMA-IRとインスリン・血糖・レプチンの血中濃度が増加しており、この増加が糖尿病前症の人で顕著でした。 すでに糖尿病を発症している人や健康な(糖尿病前症にもなっていない)人では、大気汚染の影響はかなり軽微でした。 レプチンはインスリン抵抗性に関与する物質ということで測定されました。