大気汚染の一時的な悪化で自殺のリスクが増加

(2015年2月) "American Journal of Epidemiology" に掲載されたユタ大学(米国)の研究で、大気汚染の一時的な悪化により自殺のリスクが増加するという結果になりました。

この研究では、米国ユタ州で最も人口が多いソルト・レイク郡において2000年1月1日~2010年12月31日までに発生した自殺 1,500件超の記録を分析しました。 主な結果は次の通りです:
  • 大気汚染物質の1つである二酸化窒素の大気中濃度が高かったときから2~3日後に、自殺率が20%増加していた。
  • 同様に、PM2.5(微小粒子状物質)の大気中濃度が高かったときから2~3日後に、自殺率が5%増加していた。
  • 男性だけに限ると、二酸化窒素の大気中濃度増加による自殺率の増加度は25%、PM2.5の大気中濃度増加による自殺率の増加度は6%だった。
  • 36~64才の男女に限ると、二酸化窒素の大気中濃度増加による自殺率の増加度は20%、PM2.5の大気中濃度増加による自殺率の増加度は7%だった。
  • ただし、自殺率が最も高かったのは春と秋であり、逆転層(大気汚染が悪化する原因となる気象現象)が発生しやすい冬季ではなかった。

男性と36~64才の男女で大気汚染悪化の影響が大きかったのは、これら2つのグループが大気汚染物質に接触することが多い(家の外を出歩くことが多い)からだと思われますが、他の要因によって大気汚染の悪影響の影響を受け易くなっている可能性もあります。

研究グループは今後、大気汚染と自殺リスクの関係に遺伝子的な要因や社会・経済的状態(収入、職業、学歴など)が関与していないかどうかを調べる予定です。