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航空機の騒音で乳ガンのリスクが増加する恐れ

(2017年8月) "Scandinavian Journal of Work, Environment & Health" に掲載されたドレスデン工科大学(ドイツ)の研究によると、ヘリコプターや飛行機などが引き起こす航空機騒音により一部の乳ガンのリスクが増加する恐れがあります。

研究の方法

フランクフルト国際空港の周辺地域に住む40才以上の女性48万人弱(乳ガン患者の数は 6,643人)のデータを用いて、航空機騒音・道路騒音・鉄道騒音と乳ガンのリスクとの関係を調べました。

結果

道路騒音や鉄道騒音のレベルと乳ガンのリスクとの間には明確な関係が見られませんでしたが、航空機騒音と乳ガンのリスクとの間には関係が見られました。

自宅(*)55~59dBの騒音にさらされていた女性は、自宅がさらされる騒音のレベルが40dB未満の女性に比べて、エストロゲン受容体(ER)陰性の乳ガン(†)のリスクが41%も増加していました。

(*) 女性がさらされた騒音の程度ではなく、自宅がさらされた騒音の程度。 女性本人が自宅で過ごした時間は考慮していない。

(†) ER陽性の乳ガンに比べて予後が悪い。

夜間の騒音レベルと昼間の騒音レベルに分けて分析したところ、睡眠を妨げる夜間の航空機騒音がひどいとER陰性乳ガンのリスクが増加していたのはもちろんこと、昼間の航空機騒音が55~59dBである場合にもER陰性乳ガンのリスクが48%も増加していました。

ER陽性の乳ガンについては、騒音レベルと乳ガンのリスクとの間に関係が見られませんでした。

解説

航空機騒音で乳ガンのリスクが増加していたのは、航空機騒音が睡眠を邪魔したりストレスの原因になったりするためかもしれません。

ER陰性の乳ガンでのみリスクが増加していたのは、ER陰性と陽性とで乳ガンの病因が異なるためかもしれませんが、詳しいことは現時点では不明です。 道路騒音や鉄道騒音で乳ガンのリスクが増加していなかった理由も不明です。

55~59dBはどの程度の騒音か?

例えば、市街地の真っただ中に位置する大阪国際空港(伊丹空港)の場合、空港から相当に離れた尼崎市北部に位置する武庫東小学校でも飛行機の騒音が65dbを超えています(参考)。
ところが大阪国際空港の地方自治体は、航空機による騒音の問題を解決しようと努力するどころか騒音問題を放置する方向に転じています。
また羽田空港についても、国土交通省の資料に「空港周辺や経路下での騒音レベルは一定水準に抑制されている」とあるものの、その「一定水準」というのがどうやら70dBであるようで、騒音レベルが55dBを上回っているケース(南子安小学校や八重原小学校)が多々あります。
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