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航空機騒音で高血圧のリスクが増加

(2017年6月) "Occupational & Environmental Medicine" に掲載された研究によると、航空機の騒音に長期間にわたり迷惑をかけられていると高血圧のリスクが増加します。

研究の方法

アテネ国際空港(*)の付近に住む男女420人がさらされている航空機騒音と道路騒音のレベルを 2004~2006年に測定したのち、2013年に心血管疾患(心臓発作や脳卒中)や糖尿病の新規発症を調べました。
(*) ギリシャの空港。 飛行機が1日あたり600回も離着陸する。

結果

  • 2004~2006年から 2013年のうちに71人が新たに高血圧になった(調査開始の時点ですでに高血圧だったのは194人)。
  • 夜間(午後11時~午前7時)の航空機騒音が10dB増えるごとに新たに高血圧になるリスクが2.6倍に増加していた。
  • 昼間の航空機騒音に関しては、調査開始時点ですでに高血圧だった人も含めて高血圧のリスクを計算した場合にのみ、騒音が10dB増えるごとにリスクが45%増加していた。
  • 調査開始時点ですでに不整脈だった人も含めてリスクを計算した場合にのみ、夜間の航空機騒音が10dB増えるごとに不整脈のリスクが2倍に増加していた。
  • 道路騒音と心血管疾患や糖尿病のリスクとの間には関係が見られなかった。
  • 航空機騒音と心臓発作・脳卒中・糖尿病のリスクとの間にも関係が見られなかった。

留意点

研究者によると、今回の研究には次のような弱点があります:
  • データに含まれる人数が少なめだった。
  • (航空機や自動車・バイクが引き起こす)大気汚染が健康に及ぼす悪影響を考慮していない。

類似研究

2016年に発表されたヤギェウォ大学の研究では、60dBを超える航空機騒音に長期間にわたり悩まされている人は高血圧のリスクが増加するだけでなく、大動脈の血管も硬くなる傾向にあるという結果になっています。

また今回の研究では、騒音レベルと心臓発作・脳卒中・糖尿病のリスクとの間に関係は見られないという結果でしたが、"*The BMJ*"(2013年)に掲載された2つの研究(英国と米国で行われた)では航空機騒音により脳卒中心臓病といった心血管疾患のリスクが増加するという結果になっていますし、"International Journal of Epidemiology"(2017年)に掲載されたスイスの研究では道路騒音や航空機騒音により2型糖尿病のリスクが増加するという結果になっています。

騒音被害により血糖値が上がるという研究や腹部脂肪が増加しやすくなるという研究やもあります。