飲酒の認知機能への影響のまとめ (レビュー)

(2018年7月) シャリテ(ドイツの大学病院)などの研究グループが飲酒の認知機能への影響についてまとめたレビューを "Pharmacopsychiatry" 誌に発表しています。
Stefan Gutwinski et al. "Drink and Think: Impact of Alcohol on Cognitive Functions and Dementia – Evidence of Dose-Related Effects"

レビューの要旨

  1. 飲酒習慣は認知症になるリスクや認知能力に影響すると見られるが、これまでの研究の結果は一致していない。 飲酒習慣が認知機能に悪影響を及ぼすという結果と、飲酒習慣が認知機能に好影響をもたらすという結果が混在している。
  2. これは飲酒の認知機能への影響が飲酒量により異なるためだろう。 飲酒習慣と認知機能の関係を調べた研究の大部分では、飲酒習慣と認知機能の関係を示すグラフがU字型となっている。
  3. つまり、控えめに飲酒をする習慣は認知機能の維持に有益かもしれないが、頻繁に大量の飲酒をする習慣があると脳の機能に異変が生じ認知能力が低下する。
  4. まったく飲酒しない人は控えめに飲酒をする習慣がある人よりも認知能力が劣っているという結果になった研究も多数ある。
  5. それでも「認知機能のために飲酒を推奨しよう」ということにならないのは、次の2つの理由による:
    • 認知機能以外の面(ガンのリスク増加など)においては適度な飲酒であっても有害となる恐れがある。
    • 飲酒習慣と認知機能の関係を調べた信頼性の高い研究が不足している。