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過度の飲酒で老化が促進される恐れ

(2017年6月) 米国のコロラド州デンバーで開催中の "40th Annual RSA Scientific Meeting" で発表された神戸大学の研究によると、飲酒により老化が促進される恐れがあります。 アルコール依存症者はそうでない人に比べてテロメア(下記参照)が短かったのです。

研究の方法

アルコール依存症の患者134人と非アルコール依存症者121人の飲酒歴および飲酒習慣とテロメアの長さを調べました。 アルコール依存症者のグループと非アルコール依存症者のグループは41~85才で、両グループは年齢的に釣り合いが取れていました。

結果

アルコール依存症者のほうがテロメアが短い(細胞の老化が進んでいる)という結果でした。 研究者によると、テロメアの長さとのあいだに関係が見られたのはアセトアルデヒド(*)ではなくアルコールそれ自体です。
(*) 体内でアルコールから作り出される物質で毒性がある。

テロメアとは

テロメアは、染色体の両端に存在して、染色体同士が癒着したり変質したり(ガンの原因になる)しないように保護している部分のことです。 染色体が靴紐であるとすれば、テロメアは靴紐の先端のキャップに該当します。

テロメアは細胞が分裂するたびに(つまり老化により)短くなってゆき、テロメアが失われた染色体は不安定になります。 通常はテロメアが一定以下の長さになった時点で「細胞老化」により細胞が破壊されますが、このような破壊を免れた細胞はガン化します。

老化の指標

細胞が分裂するたびに短くなっていくというテロメアの性質のために、テロメアは肉体の老化度を知るための指標として用いられます。

テロメアが短くなる要因

喫煙・肥満・劣悪な食事・心理的ストレス・酸化ストレス・慢性炎症によってテロメアが短くなるペースが速まることが複数の研究で示されているほか、ガン・心血管疾患・認知症・肥満・脳卒中・骨粗鬆症・感染症・糖尿病・高血圧などの病気や体質(遺伝子のタイプ)によってもテロメアは短くなります。

テロメアの長さを維持する方法

運動習慣・健康的な食生活・質の良い睡眠・禁煙により、テロメアが短くなるのを食い止めたりテロメアの長さを回復したり出来ると思われます。

運動

運動量が多い人や座って過ごす時間が短い人はテロメアが長いという結果になった研究があります。 また、運動によってイリシンというホルモンの分泌量が増加しますが、このイリシンの血中量が多い人ほどテロメアが長いことを示す研究もあります。

食生活

食生活がメディテラネアン・ダイエットと呼ばれる地中海地方の伝統的な食生活に近いとテロメアが長いという結果になった研究があります。

個別的な食品カテゴリーでは、DHAやEPA(魚に含まれる脂肪酸)や果物・野菜がテロメアの長さを維持するのに有益だと思われます。 逆に、糖類や加工肉(ソーセージやハムなど)などはテロメアの長さを損なう恐れがあります。
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